DON'T PASS MUSIC BY

"Secrets are fun to a certain degree, but......"<Jake Holmes>

目次[登場アーティスト付き]其の八 2019年10月~12月

 DON'T PASS MUSIC BYという題目で音楽話をさせてもらっております。以前はYahooブログにおりましたが(https://blogs.yahoo.co.jp/yes_outsiders)、先方のサービス終了に伴いましてこちらへ移って参りました。

 2019 年10月から12月の記事へのリンクはこちら↓です。

  

目次[其の八]

第48回「Pat Boone」(1)[Pat Boone]

Riot特集:時系列全作品紹介(6)『THUNDERSTEEL』[Riot]

 第48回「Pat Boone」(2) [Pat Boone]

Riot特集:時系列全作品紹介(7)『THE PRIVILEGE OF POWER』[Riot]

第48回「Pat Boone」(3)

Riot特集:時系列全作品紹介(8)『NIGHTBREAKER』[Riot]

第48回「Pat Boone」(4)[Gregg Bissonette]

Riot特集:時系列全作品紹介(9)『THE BRETHREN OF THE LONG HOUSE』[Riot]

 第48回「Pat Boone」(5) [Gregg Bissonette]

Riot特集:時系列全作品紹介(10)『INISHMORE』[Riot]

第49回「Quatermass Ⅱ」(1)[QuatermassⅡ]

Riot特集:時系列全作品紹介(11)『SONS OF SOCIETY』[Riot]

第49回「Quatermass Ⅱ」(2)[QuatermassⅡ]

Riot特集:時系列全作品紹介(12)『THROUGH THE STORM』 [Riot]

第49回「Quatermass Ⅱ」(3)[Quatermass] 

Riot特集:時系列全作品紹介(13)『ARMY OF ONE』[Riot]

第49回「Quatermass Ⅱ」(4) [Quatermass]

Riot特集:時系列全作品紹介(14)『IMMORTAL SOUL』 [Riot]

第50回「Red Dawn」(1)[Red Dawn]

特集:このドラミングがすごい③Jerry Shirley(1)[Humble Pie]

第50回「Red Dawn」(2) [Red Dawn]

特集:このドラミングがすごい③Jerry Shirley(2)[Humble Pie]

第50回「Red Dawn」(3)[Billy Joel]

特集:このドラミングがすごい③Jerry Shirley(3)[Humble Pie]

第50回「Red Dawn」(4)[Billy Joel]

特集:このドラミングがすごい③Jerry Shirley(4)[Syd Barrett]

 

特集:このドラミングがすごい③Jerry Shirley(4)

 さて、Jerry Shirleyさんの仕事を見ていく、っていう趣旨からすれば、こういうのも聴いとかないといけませんでしたね。

 

(3)Syd Barrett『BARRETT』(1970)

  1. Baby Lemonade
  2. Love Song
  3. Dominoes
  4. It is Obvious
  5. Rats
  6. Maisie
  7. Gogolo Aunt
  8. Waving My Arms in the Air
  9. I Never Lied to You
  10. Wined And Dined
  11. Wolfpack
  12. Effervescing Elephant

<メンバー>

Syd Barrett(Vo, Gt)

David Gilmour(Ba)

Richard Wright(Key)

Jerry Shirley(Dr)

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 Pink Floydのオリジナルメンバー・メインソングライターであったSyd Barrettのソロアルバム(2作目)。ピンク・フロイドシド・バレットについては、ここで私ごときが説明しきれるものでないので逃げます。とりあえず、本作はシド・バレットが作詞作曲し、ピンク・フロイドデヴィッド・ギルモアがプロデュースした作品であるということです。キーボードのリチャード・ライトピンク・フロイドのメンバー。ジェリーのみ外の人ということになりますか……

 

 例えば最初の「Baby Lemonade」ですけども、フォークっぽいというか、中期ビートルズっぽいというか、そういうシドの歌と演奏に、バックが何とかついていって整合性をとろうとしてるようなのが興味深いというかなんというか。ジェリーさん、意外に器用……あ、いや、結構苦しい合わせ方もしてるかな。

 

 次の「Love Song」はまだオーソドックスなリズムで安心……いや、後半ちょっと不思議なところがあるな。まあ、こういう作品は機械じゃ絶対作れない、と思うと嬉しくなるけどね。鍵盤の入り方がやっぱり一時期のビートルズっぽいですかねえ。

 

 「Dominoes」も、伴奏やエフェクト的なサウンドでサイケっぽくなってますけど、ご本人の歌を取りだしたら牧歌的なフォーク調なのかもしれない。あとは歌詞の世界が重要でしょうが、ちょっと深く理解できてない。(なお、この曲はドラムがDavid Gilmourらしいです。)

 

 以下基本的に似た雰囲気になりますか。どなたかがネット上で「アシッド・フォークの名盤といえる」と仰ってましたが、そういう解釈がよいのですかね。(アシッド・フォークっていうのがあんまりよく私わかっていない。)実は先入観で、“シド=狂気のアーティスト”的なイメージを持っていたので、「とても奇天烈な作品では?」と思い込んでいたのですが、それは外れ。意外に聴きやすい。ただし、時々リズムが振れたり揺れたりするところとか、メロディが急に平坦になったり(「Rats」の後半は凄い)するあたりとか、一筋縄でいかないのも確か。まとめづらそうな作品を完成態にもっていったギルモアさんと、鍵盤大活躍のライトさんの貢献は明らかだと思います。

 

 ドラムがちょっと目立つのは「Maisie」ですかね。歌が急に暗い低いトーンになるんですが、その分ドラムとベースがよく聴こえてしまう。やや呪術的な不気味な曲です。その次の「Gigolo Aunt」が急にポップに感じられてしまうくらいにね。淡々と推進力を与える必要がある時には、ジェリーさんに頼め!っていうお手本のようなドラムが聴けるぞ(とか言って、他の人が叩いてたりして……)。

 

 ちょっとKevin Ayersっぽい感じもする「Waving My Arms in the Air」と「I Never Lied to You」は、鍵盤の活躍もあってシンプルながら華麗な仕上がりになってる。個人的にはこの辺が好きかな。「Wined and Dined」もいいね。ドラムはほとんど出てこないけど。

 

 「Wolfpack」は後半の器楽重ね(少し遠くでギターが鳴ってるような演出も)がインパクトあり。ラストはチューバがフィーチュアされた牧歌的――というにはなんか変な歌詞みたいだけど――な「Effevescing Elephant」でおしまい。

<続く>

第50回「Red Dawn」(4)

 Billy JoelバンドにおけるDave Rosenthalさんの仕事を観てみようっていう企ての、続き。7曲目以降にいきます。(1-6曲目は前回をご参照。)

 

<関連作品>

Billy Joel『JOURNEY TO THE RIVER OF DREAMS』(1994)

  1. No Man’s Land
  2. Pressure
  3. Ballad of Billy the Kid
  4. Leningrad
  5. Allentown
  6. My Life
  7. I Go to Extremes
  8. Shades of Grey
  9. The River of Dreams
  10. Goodnight Saigon
  11. We Didn’t Start the Fire
  12. A Hard Day’s Night
  13. Big Shot
  14. Piano Man

<メンバー>

Billy Joel(Vo, Key)

Liberty DeVitto(Dr)

Mark Rivera(Gt, Sax, Vo)

Crystal Taliefero(Sax, Gt, Key, Flu, Vo)

Tommy Byrnes(Gt, Vo)

Dave Rosenthal(Key, Vo)

T-Bone Wolk(Ba, Accordion, Mandolin, Vo)

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 「I Go to Extremes」はリバティ大活躍のロックナンバー。『STORM FRONT』のライティング/レコーディング・セッション時に、リバティが繰り出した激しいビートがヒントになってできた曲だそうです。ビリーがピアノも弾いちゃうこの辺ではデイヴさんは主にバッキング・ヴォーカルで貢献してますね。次の「Shades of Grey」は新作『RIVER OF DREAMS』からの曲ですが、やはりハード度高め。『RIVER~』では大半をセッションドラマーが叩いていたのですが、この曲だけはスタジオでもリバティがプレイしてました。この曲ではめずらしく(?)トミーさんのまとまったソロが聴けます。

 

 「The River of Dreams」は、お察しの通り『RIVER~』からのナンバー。細かい話ですが、アルバムタイトルは定冠詞が付かず、曲名は「The~」となりますからね。King Crimsonのファーストが『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING』なのに、収録曲は「The Court of the Crimson King」、みたいなもんか、違うか。ダンサブルな楽しいナンバーではありますが、バンドが途中静止する部分で演奏を停めた後、フランクフルトの聴衆が自発的に歌い続けるところなんかは素晴らしい。まだアルバムが出てからそんなに長い時間は経ってないはずなのに、浸透してるんですからね。

 

 この辺からもう佳境に入っているんですが、ここで重厚な「Goodnight Saigon」が登場。ヴェトナム戦争について歌った、ビリーのシリアスサイドを代表する楽曲。彼はこの曲を自らずっと歌い継いでいますね。あまり映らないんですが、終盤のオーケストレーションはデイヴの仕事ではないですかね。

 

 次もある意味社会派の曲なんですかね、1949年以降の現代米国史の事件をひたすら挙げる「We Didn’t Start the Fire」。無茶苦茶ヒットした曲なんで、聴衆も盛り上がりまくりですが……やっぱり凄い‟歌詞”だなあ。リバティも元気一杯。で、その次はThe Beatlesのカヴァー「A Hard Day's Night」なのね。ビリーのビートルズ愛は周知のところだし、ソ連ツアーに行った時も「Back in the USSR」をやったりしてました。T-Boneさんのベースは、ポール・マッカートニー風味があるかもしれないな。

 

 あとは締めくくりのお約束、「Big Shot」。ヘヴィなロッキンナンバーですが、ビリーはマイク片手にステージを練り歩き、グランドピアノの座席はデイヴに譲ります。ビリーの信頼を受けてニコニコピアノを弾いてるこの年に、デイヴはRed Dawn計画を進めてたんですかねえ、って考えると面白いね。クリスタルとマークのダブルサックスも分厚い。曲の終わり間際にグランドピアノに乗っかる(文字通り)ビリー、最後はそこで一瞬倒立(?)を決めてからステージに下ります。

 

 かように散々暴れ回った後に、アンコール的に演奏されるのが、「Piano Man」でございます。ハーモニカはビリー自身が吹き、T-Boneさんがアコーディオン、クリスタルさんがベース……っていう特殊編成。コーラス“♪Sing us a song, you’re the piano man……”のところは聴衆大合唱。デイヴさんはと……探しますと、この曲ではサポートキーボードの出番は少ないのか、専らコーラス要員となってました。

 

 もうこれから四半世紀以上になりますが、才人デイヴ・ローゼンタールはいまだにビリーの片腕たり続けているんだからたいしたものですね。Youtubeには最近のインタビューってのもあって(デイヴのね)、‟ビリーのバンドで演奏すること、特にライヴでやることを楽しんでる”ってなことを仰ってましたよ。

<完>

特集:このドラミングがすごい③Jerry Shirley(3)

(2)Humble Pie『THE BEST OF HUMBLE PIE: 20th Century Masters』(2000)

  1. Natural Born Woman
  2. Big Black Dog
  3. Stone Cold Fever
  4. Shine On
  5. Rolling Stone
  6. Four Day Creep
  7. C’mon Everybody
  8. Hot ‘N’ Nasty
  9. 30 Days in the Hole
  10. Black Coffee
  11. Ninety-Nine Pounds
  12. I Don’t Need No Doctor

<メンバー>

Steve Marriott(Vo, Gt)

Peter Frampton(Gt, Vo)#1~6,12

Clem Clempson(Gt, Vo)#7~11

Greg Ridley(Ba, Vo)

Jerry Shirley(Dr)

 

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 Humble Pieのスタジオ作品も鑑賞しとこうと思うのですが、一枚に絞ることが出来なかったので、お手軽ながらベスト盤でいきます。選曲がいいので。なお、ピーター在籍時が前期、クレム在籍時が後期の作品と思っていただければ大丈夫です。

 

 「Natural Born Woman」(または「Natural Born Bugie」、どちらが正式なのかわからない……)は、最初期のシングル。私が最初に手を出したベスト盤――これとは別なんですが――でも冒頭に収まってまして、ハンブル・パイと私の最初の出会いがこれだったので特に印象に残っております。構成としてはオーソドックスなブルーズ・ブギーなんですが、漢気あるグレッグ・ヴォイスで一番を始め、二番でピーターが引き継ぎ、間奏はさんで三番で満を持してスティーヴ登場……っていう流れは、さよう、「Four Day Creep」で繰り返される十八番の手法でございます。あとね、淡々としてるけど、フレーズごとに過不及無い適切なフィルを入れるジェリーのドラムが最高なのよ。8ビートマスターというのはこういう方を言うのであろう。あ、この曲はSteve Marriott作です。

 

 「Big Black Dog」もシングル曲。こちらはPeter Frampton作。全編のパウンディング・ベース、2番での太い歌唱など、グレッグの見せ場が多めかな。ジェリーの太鼓は流石の安定感。“ドドッタッドタッ”っていうキックとスネアのコンビネーションが決まるんで心地よいのなんの。

 

 「Stone Cold Fever」は、ライヴ版を御紹介しましたね。こちらでは、ヴォーカルにほんのりエフェクトが掛かっているのかな。1分辺りのところではハーモニカも聴こえます。中間のジャジー・パートも本格的。

 

 「Shine On」は、シングルでも出た、『ROCK ON』冒頭を飾るピーター作品。全編歌うのはピーターで、鍵盤もフィーチュアされますので、この曲はむしろ後のPeter Framptonソロ作品に近いかも。じっさい、彼は名盤ライヴ『FRAMPTON COMES ALIVE!』でもセルフ・カヴァー(?)しております。

 

 「Rollin’ Stone」もライヴ版については申し上げました。スタジオ版もあって、『ROCK ON』に入っています。こちらは6分の長さ。終盤に怒涛のブギーに突入するところが強引でイイ。ジェリーさんも張り切ります。……それにしても、前曲と本曲ではだいぶカラーが違いますね。ピーターとスティーヴの志向がはっきり分かれてきたという感じもします。

 

 「Four Day Creep」は『PERFORMANCE』のヴァージョン。前回記事をご覧下さい。

 

 さて、ピーターの脱退後、Humble Pieは後任にDave ‘Clem’ Clempsonを迎えます。BakerlooColosseumなどで活躍した、英国ブルーズ・ロック界の名職人。(なお、私はBakerlooHumble Pieより後に知ったんですけどね……。)その彼がスティーヴのR&B・ソウル志向に合うのかなと思し召しかもしれませんが、しっかりフィットするんですねこれが。それも、セッションプレイヤー的な位置じゃなくて。

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〔筆者が初めてHumble Pieを聴いたベスト盤『HOT ’N’ NASTY: The Anthology』

 

 じゃあ、聴きましょう。「C’mon Everybody」は、言わずと知れたEddie Cochranの代表曲の一つ。(英国だとUFOもカヴァーしましたね。)Humble Pie『SMOKIN’』で聴けますが、ライヴ録りっぽい生々しい感じがありまして(特に終盤にかけて熱くなる)、ドラムも伸び伸びプレイされてます。渋くてツボをおさえたギターフレーズはさすがクレムさんという感じですが、同時にいままであまり気に留めていなかったスティーヴのリズム・ワークにも耳が行きます。

 

 「Hot’n’Nasty」は『SMOKIN’』の一曲目を飾ったスティーヴ作。カウベル付きの軽快なリズムから始まり、鍵盤込みで中盤から疾走。オルガン弾いてるのはゲストのStephen Stillsさんですな。ファンキーでキャッチーで、シンプルな8ビートの楽しさを満喫できる、コンパクトな一曲です。

 

 「30 Days in the Hole」もスティーヴ作。シングルカットされ、『SMOKIN’』収録もされました。冒頭から見事なコーラスワーク“♪Thirty days in the hole……”で幕を開け、ジェリーのドラムに支えられてギターとベースが躍動するロックナンバー。この太鼓の音色は、80年代以降モノでは絶対(言い過ぎ?)聴けない感じのやつだね。

 

 sus4(?)を多用したようなギターリフ作りは、スティーヴによるものでしょうか。むかし、The Blue Heartsをよく聴いてたんですが、のちにThe Jamなんかを聴くようになって「ギターワークはこの辺に手本があったのかなあ」などと勘繰ったものでしたが、考えてみればKeith RichardsにしろSteve Marriottにしろ、60年代英国ロッカーはああいう音をよく出してましたね。

 

 「30 Days in the Hole」は、カヴァーもよくされているようですが、私にとって印象的なのはMr.Bigかな。ライヴ盤『LIVE』で聴けますし、Youtube上には動画もあるよ(故Pat Torpeyのドラムもやっぱり良い)。彼らはThe Who「Baba O’Riley」もやったりと、ブリティッシュ・ロック好きだよね……っていうか、バンド名じたいFreeから来てましたわね。

 

次の「Black Coffee」はIke & Tina Turnerのナンバー。Tina Turnerの物凄い歌唱をどうカヴァーするのかと思ったら、割と忠実に歌ってますねスティーヴ。こんな芸当ができる男性シンガーは滅多にいないでしょうなあ。Humble Pie『EAT IT』に入っています。この曲は、英国の音楽番組(OGWT)に出演した、当時のハンブル・パイの演奏がYoutubeで観られるので、ぜひご覧下さい。女声コーラス隊(The Blackberries)を率いてノリノリで歌うスティーヴ、スライドギターを決めるクレム、マジカルなファンクネスを生み出すグレッグが観られます。カメラのアングルのせいで、ジェリーさんがほとんど見えないのは残念ですが。

 

 「Ninety-Nine Pounds」は、『THUNDERBOX』という彼らのアルバムに入っていた、いかにも彼ららしいシンプルな8ビートロックンロール。といっても、これもカヴァー曲ですが。Ann Peeblesさんの曲を、ちょっとテンポを上げて演奏してるんですね。

 

 本ベスト盤のラストに「I Don’t Need No Doctor」を持ってくるあたりに(ここだけ時系列じゃないので)、このコンピの編者のこだわりを感じますな。「パイはこの曲で締めないと!」っていうことでしょう。同感であります。

<続く>

第50回「Red Dawn」(3)

 せっかく出てきてもらったんで、Dave RosenthalとBilly Joelの協働成果を観ときますか。

<関連作品>

Billy Joel『JOURNEY TO THE RIVER OF DREAMS』(1994)

  1. No Man’s Land
  2. Pressure
  3. Ballad of Billy the Kid
  4. Leningrad
  5. Allentown
  6. My Life
  7. I Go to Extremes
  8. Shades of Grey
  9. The River of Dreams
  10. Goodnight Saigon
  11. We Didn’t Start the Fire
  12. A Hard Day’s Night
  13. Big Shot
  14. Piano Man

<メンバー>

Billy Joel(Vo, Key)

Liberty DeVitto(Dr)

Mark Rivera(Gt, Sax, Vo)

Crystal Taliefero(Sax, Gt, Key, Flu, Vo)

Tommy Byrnes(Gt, Vo)

Dave Rosenthal(Key, Vo)

T-Bone Wolk(Ba, Accordion, Mandolin, Vo)

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 初出はVHSでした。『JOURNEY TO THE RIVER OF DREAMS』というセットで、アルバム『RIVER OF DREAMS』に伴うツアーの音源ミニアルバム+ビリー・ジョエルによる講演(Q&A)CD+93年のドイツ・フランクフルト公演の映像VHS。現在は映像が単品でDVD化されて、『LIVE FROM THE RIVER OF DREAMS』というタイトルになっているようです。

 

 VHSテープが伸びるほど見返した……っていうのはさすがに大袈裟ですが、Youtubeなんて便利なモンが出てくる前は、「動くビリー」を観られる手段は限られていたから、重宝したもんだ。

 

 今となっては、オリジナル・ビリージョエルバンドのリバティが全面叩きまくってるのが観られるのが貴重よね。このころが新旧交代期で、ギターのトミー、何でも屋のマークとクリスタル、キーボードのデイヴは現在までビリーのバンドに居ますからね。でね、リバティのことは当ブログでもご紹介済み(第16回「特集:このドラミングがすごい①Liberty DeVitto」(1))ですけども、もんのすごいパワーヒッターなんですよ。冒頭の二曲なんかは完全にハードロックの趣き。当時の新曲「No Man’s Land」はビリーもエレクトリック・ギターをかき鳴らしながらロックするしね。後者「Pressure」はキーボードのリフが印象的なナンバーゆえ、デイヴの出番も多めだよ。

 

 3曲目はBilly Joel初期の楽曲(1973年発表)なんだけど、実に躍動的に仕上げられてるんですよ。T-Boneさんの細かく動くベースがユニークかな。パーカッションやハーモニカで八面六臂のマルチ器楽家クリスタルさんもカッコいいんだけど、アクションもデカくすべてを叩き潰さねば満足せんといわんばかりのリバティおじさんがとにかく強力。

 

 さすがに4曲目のピアノバラード「Leningrad」では暴れ回りはしませんが。ソ連ツアーでの体験から生まれた後期の名曲を、フランクフルトの聴衆に披露してるっていうのもいいよね。ギターのトミーさんは、この後ずっとビリーバンドのバンマスをつとめる才人なんだけど、プレイでは目立とうとはしない堅実な感じ。ブルージーロングトーンは得意のようですが。

 

 次はビリーが長年愛して上演し続ける「Allentown」。メッセージ性と楽曲の力量が完璧に結び付いた作品ということなんでしょうね。その次に来る「My Life」の前奏では、Billyはよく即興的に“カヴァー”をやるんですが、このときはベートーヴェン交響曲第九番をモチーフにしてます。ちなみに、ビリーはベートーヴェンが大好き。尊敬しまくってるそうですよ。この曲では、マーク・リヴェラさんがサックスをプレイ。マークさんは、Ringo  StarrのAll-Starr Bandのメンバーだったこともあります。当ブログ(第17回「Peter Frampton」(1))でご紹介済み。

<続く>