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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

第50回「Red Dawn」(2)

 さあ続き。

youtu.be

Red Dawn『NEVER SAY SURRENDER』(1993)

  1. Flyin’ High
  2. I’ll Be There
  3. Liar
  4. Dangerous Child
  5. Promises
  6. I Can’t Get over You
  7. Christine
  8. Take These Chains
  9. She’s on Fire
  10. Never Say Surrender

<メンバー>

Dave Rosenthal(Key)

Tristan Avakian(Gt)

Larry Baud(Vo)

Greg Smith(Ba)

Chuck Burgi(Dr)

 

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 「I Can’t Get over You」は、明るい調子のゆったりシャッフル。ラリーさんのハスキー度合いがもっと進んだらHuey Lewisみたいな感じかもなあ。オルガン風味の鍵盤音色があたたかい雰囲気。コーラスのコード感も爽快。ブルージーな中にも速弾きを盛ってスリルを演出するトリスタンがやっぱりいい。

 

 お次は明るくポップな「Christine」。ここではラリーさんの歌がちょっとJoe Lynn Turner風にも聴こえるね。Gregのベースもテンポチェンジをリードして曲の表情を豊かにするね。

 

 トリスタンさん単独作の「Take These Chains」。ギターバリバリのハードロック……ではなくて、ピアノから静かに始まるバラード。ラリーさんのヴォーカルを活かす劇的なメロが用意されててこれまた〇。“♪Take these chains……”。デイヴ・ローゼンタールさんのピアノはこの曲でじっくり聴けということかな。

 

 SE風のキーボードから壮大なイメージで幕を開ける「She’s on Fire」。テンポこそゆったりですが、甘さより硬質さを感じさせるハードロック。こういう曲のテンポ刻みで光るグレッグのベースと、名手チャックのドラミング。前曲では遠慮気味だったギターが炸裂、フラッシーなプレイを披露。歌やメロディは抑えた感じで最後まで。

 

 ラストの「Never Say Surrender」は、冒頭の「Flyin’ High」と呼応するかのようなアップテンポのナンバー。“♪Never…say  surrender……”。コーラスのトコロで転調して爽なパートへ持ち込むのが豪快。この曲でもデイヴの煌びやかなキーボードソロが聴けます。

 

 ということで、なかなか良い作品でありましたね。このバンド/プロジェクトがなんで続かなかったのか存じませんが、勿体無い。まあ、ちょうどこの93年頃からデイヴ・ローゼンタールはビリー・ジョエル・バンドの一員として活躍していきますから、「忙しくなっちゃった」っていうのでしょうがないんでしょうけども。

<続く>