DON'T PASS MUSIC BY

"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳 其の九〔209~〕

 1アーティストにつき1ずつ、「これいい!」「おもしろい!」曲を紹介してまわるコーナーです。目下、毎週木曜更新

〔この「目次」は記事の追加ごとに順次増えていきます〕

どんぱす今日の御膳209 [Pearl Jam]

どんぱす今日の御膳210 [Royal Hunt]

どんぱす今日の御膳211 [Portnoy, Sheehan, MacAlpine & Sherinian]

どんぱす今日の御膳212[Twilightning]

どんぱす今日の御膳214[Arch Enemy]

どんぱす今日の御膳215[Samson]

どんぱす今日の御膳216[Elvis Presley]

どんぱす今日の御膳217[Pentagram]

どんぱす今日の御膳218[Rainbow]

どんぱす今日の御膳219[Deep Purple]

どんぱす今日の御膳220[Led Zeppelin]New!!!

どんぱす今日の御膳225

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Judas PriestPainkiller」(PAINKILLER1990)

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 そろそろこの辺でひと区切りしますか。さすがにしつこかったかな。「ドラムのイントロが凄い曲シリーズ」。最後はコレ。まあ、「凄い」よね。

 

 これも尺をはかると18秒しかないのか……意外に短かった。Scott Travis(Dr)がJudas Priestに加入して(厳密にはどうだか知らないが)最初に聴衆にくらわせたのがこのタイコの嵐。前任者とは明らかにタイプの違うドラム。オリジナル・メンバーズ(Rob/K.K./Glenn/Ian)が意外に器用なのか、バンドそのものが若返りましたね。

 世界中の(メタル系/メタル好き)ドラマーが真似してるでしょうけど、やっぱり本人のテイクには敵わない、かな。やってみようとして挫折した下手ドラマー(=私)に言わせると、手数に気をとられて足元がおぼつかなくなるとアウト。よく聴いていただくと、スコットのフットワークは超安定してますが、16分の刻みを入れてるときより8分で土台をしっかり作る如く踏み踏みするのが肝要なのではないでしょうかね。優れたドラマーは「足」がしっかりしてます。私ごときが言うまでもないことでした……

 

 そうそう、Judas Priestといえば、初期の名曲「Exciter」もドラム・ソロから始まりましたよね。Les Binks(Dr)さんのドラミングも美しかったと思います(リアルタイムではもちろん知りませんけど)。いつだったか何かの番組内で伊藤政則さんが「いまジューダス・プリーストにさあ、レス・ビンクスが戻ったからって『オッ!やった!』ってやつはいないだろ。ロブ・ハルフォードが戻るってことに、意味があるんだよなあ」というようなことをおっしゃいました(文言は正確でないと思います、すみません)。

 それを聴いた当時私「レス・ビンクスが戻ったっていったら、見てみたい気がするがなあ」なんてふと捻くれて思ったことを思い出しました。(なお、スコット・トラヴィスももちろん好きです。代わってもらいたい、というわけじゃなくて、レス・ビンクス氏に‟伝説”的イメージがあったもので。)

 

 というわけで皆さん、音楽を聴くときはドラマーにも意識を向けてあげて下さいね。

どんぱす今日の御膳224

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Elvis Costello & The Attractions「(I Don’t Want To Go To)Chelsea」(『THIS YEAR’S MODEL』1978)

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 「お前、ハード・ロックしか繰り出してこないじゃないか」って言われそうなので、「わ、儂だってパンクくらい聴くわ」ということで、これをどうぞ。(エルヴィス・コステロをパンクっていうの、無理がある?私が人生で初めて彼の曲を聴いたのって、『THE NO.1 PUNK ALBUM』っていうコンピに入ってた「Oliver’s Army」だったんだよね。)

 

 この曲に至っては、冒頭のドラム・ソロ(?)は5秒くらいしかないけど、私にとってはものすごいインパクトだったのね。よくありそうで実は一度も聴いたことがない、つまりクールなフレーズだったわけよ。バンド練習でスタジオに入ると、(下手の分際で)真似したくなっちゃうような……

 Elvis Costelloと協業したThe Attractionsの面々は誰もが名手ですが、Pete Thomas氏(Dr)はわけても凄い。例えばこの「Chelsea」における緩急のつけ方……焦燥感と鷹揚感(造語)を同時に出せるなんて、信じられない名人芸。コステロのラップ調の歌とコーラスのメロディを両方立てるわけでね。わざわざドラムの注意して聴く人もあまりいないかもしれないけど……

 

この名曲を含む『THIS YEAR’S MODEL』(1978)もとうぜん名盤ゆえ、大推薦。「No Action」から「Radio, Radio」まで、他の作品ではそこまで感じられない“疾走感”が心地好いとおもいます。

どんぱす今日の御膳223

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Steppenwolf「Skullduggery」(『SKULLDUGGERY』1976)

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 「お前、英国ロックしか繰り出してこないじゃないか」って言われそうなので、「べ、米国ものも好きなんだからね」と言い張るためにコレを提出しよう。

 

 どうですか、冒頭20秒弱のドラム・ソロは。まあ、派手さはないけど丹田のあたりにグッときません?さすがは名手Jerry Edmonton(Dr)だよ。この人もあんまり持て囃されないけど、グレート・ドラマーだと思うんだよなあ。John Kay(Vo, Gt)にこんなダンサブルな歌を歌わせるなんて、彼のタイコじゃなきゃね。軽快な踊れる曲も、重ーいブルーズも、ハードロックも叩き分けた故ジェリー・エドモントン先生を称えよ。それと、ジェリーは曲も書いたんだけど、彼の単独作「Straight Shootin’ Woman」(1974年の『SLOW FLUX』所収)も軽快なヒットナンバーだったんだ。

 

 Steppenwolfというと「Born To Be Wild」があまりにも有名なんで、“一発屋”だと思っている人がいるかもしれんが、それは大きな間違いである。一般層にまで知られた曲はさすがに多くはないが、名曲名演名作名盤目白押しの偉大なるバンドなのだ。ジェリーなどすでに亡くなったメンバーもいますが、ジョン・ケイ先生はまだバンドを率いてロックしてるのですよ。

 あ、「Born To Be Wild」の作曲者って、Mars Bonfireってなってるじゃないですか。当時のバンド・メンバーにそんな名前の人はいないから、「なんだ、外部ライターの曲をあてがわれたのか」と思ったら、これも間違い。Mars Bonfireとは、Jerry Edmontonの兄貴にしてバンド草創期のメンバーDennis Edmontonその人なのですね。(ダミアン浜田殿下みたいなもんか。違うか……)

 

 というわけで、ステッペンウルフは、ジョン・ケイのカリスマと音楽への愛がもちろん大黒柱ではあるんだけど、特に初期においてはエドモントン兄弟のスキルによって羽ばたいたところも多分にあるのだと、そういいたいわけです。90年代に再結成するまえ、70年代に一度幕を下ろしたオリジナル・ステッペンウルフの最後の輝きをとらえた『SKULLDUGGERY』のタイトル曲は、やっぱりドラムがポイントだったよ……