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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳 其の一二〔287~〕

1アーティストにつき1ずつ、「これいい!」「おもしろい!」曲を紹介してまわるコーナーです。毎週水曜更新

〔この「目次」は記事の追加ごとに順次増えていきます〕

どんぱす今日の御膳287[Jeff Watson]

どんぱす今日の御膳288[Cyndi Lauper]

どんぱす今日の御膳289[Stormwind]New!!

どんぱす今日の御膳289

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Stormwind「War Of Troy」『REFLECTIONS』(2001)

 この辺でメタルをいっとかないとね。昔懐かしいStormwindなんて言うと悪いけど、もう20年も前の曲だからねえ。この曲に出くわしたのは、伊藤政則氏のTV番組『ROCK CITY』の新譜紹介CMコーナー“Ship of This Week”でした。(MVですらなかったのだ。)

 ほんの数十秒、流れただけのメロディックパワーメタルに興味をひかれ、名前をメモして後日CD屋へ走る健気な吾輩。買ったらまずライナーノーツをよく読む。なんか、ギタリスト(Thomas Wolf)が空手のチャンピオンだったとかも出てきました。

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 そろそろ再生するかってんで聴くと、第一のポイントはやはりこの強力なヴォーカル。Thomas Vikströmはオペラ歌手でもあるそうで、発声からしてそこら辺の連中とは格が違いました。(もっとも彼の実力は、「War Of Troy」よりも、後年の「Touch The Flames」とかの方が分かり易いですけど。)NHK・BSの『AMAZING VOICE 驚異の歌声』にも出たってんで、有名かな?

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 それから、このバンドのレヴェルを上げてるもう一人の立役者はドラマーのPatrick Johansson。この人もまじで腕利き。突撃系パワーメタルはもちろん、多彩なフレーズを柔軟に叩き分け、それでいて“ヤワ”にはならない硬質さもあるという、理想的メタルドラマー。凄すぎて、この後割と早くにイングヴェイに引き抜かれちゃいました。さらにそのあとインペリテリのトコにも寄り付いたっていうのがイイ。匠は匠を知る!

 

 出会いの作品ゆえ『REFLECTIONS』が大好きな私ですが、世評はなぜかそこまででもない。(この後の作品がより「良くなった」と言われるせいかも。)でもさ、「The Man Behind the Iron Mask」とか「Reflections」のテンポ・チェンジを含む面白さとか、「Queen for Nine Days」とか「Assassin Of Honor」のアグレッシヴな突撃感とか、いいじゃないかあ、ねえ。主宰人の空手トーマスは今何してるのかわかりませんが、またこういうジャンルで作品を出してほしいものよ。

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どんぱす今日の御膳288

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Cyndi Lauper「How Blue Can You Get?」(『MEMPHIS BLUES』2010)

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 シンディ・ローパーというと、私なんぞはWE ARE THE WORLDの“宝石ジャラジャラ”お姐さんのイメージだったんですけど(歌のうまさは尊敬してる)、気が付けばこんな渋いブルーズ・アルバムを作っていたのね。

 「How Blue Can You Get?」は、最初はJohnny Moore’s Three Blazersが録音したということですけども、B.B.Kingがヒットさせライヴでも演じ続けたというのが有名でしょうか。シンディの深みのある歌唱もイイですが、この曲はB.B.バリの粘るギターがないと物足りません。お、このテイクには味のあるプレイがフィーチュアされてますな、いったい誰が……なんとギターはJonny Langでしたか。なるほど。ジョニーは一部ヴォーカルもとっていますね。これは良い組み合わせ。アルバムではもう一曲、Robert Johnson「Crossroads」を二人入りで仕上げていますね。

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 ちなみに、『MEMPHIS BLUES』ではB.B.キングその人をもゲストに迎えています。「Early In The Mornin'」(Louis Jordanの曲)には、ギターとヴォーカルでB.B.、ピアノでAllen Toussaintが入ってるというこれまた豪華版。流して聴くのは勿体無い、よく作りこまれたアルバムでした。

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どんぱす今日の御膳287

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Jeff Watson「Forest Of Feeling」(『LONE RANGER』1992)

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 ちょっと前にNight Rangerを取り上げましたが、今回はそのメンバー(だった)ジェフ・ワトソンのソロから1曲いきましょう。

 お得意の8フィンガー奏法も含め弾きまくりの一枚なんだけど、ハードなナンバーからアコースティックまでいろいろなうえ、要所要所でうまくゲストを迎え入れていて、飽きさせない。私は結構いいソロ・アルバムだと思うんですがねえ。私の大好きなSteve Morse先生との共演もあるし(「Talking Hands」)。

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 さて、浮遊感あるイントロで始まり、スケール感のあるハードロックに展開するのが「Forest Of Feeling」。前半はジェフの弾きまくりで、それを支えるドラムは……Steve Smith(Journeyなどでプレイした凄腕)。だけど、この曲の主役は彼らではないの。1分48秒から1分以上にわたって壮絶というしかないソロを繰り広げるお方。このスケール、音遣い、唯一無二のAllan Holdsworth先生でございます。3分40秒あたりからは、ジェフ先攻・アラン後攻でギター・バトルに突入(ちなみにバックのドラムも凄いことになってる)。ジェフも気合が入っててなかなか美しいフレーズを繰り出しますが、余裕で応じるホールズワース師。なかなかいい光景ですよこれは。

 と、私は結構好きな曲なんですが、アラン自身は気に入っていなかったらしいのだ。いまはもうなくなっちゃったようですが、かつてアラン・ホールズワースのオフィシャルサイトの一部に「参加しなきゃよかったなあ、と思うレコーディング一覧」というコーナーがあって(笑)、この曲を含む数十に及ぶセッションが列挙されていました。うろ覚えになるのですが、Frank Gambaleとのギター・バトル・アルバムなんかもそこに入れられていたし、Gordon Beckとの協業も含まれていた気が。

 なんというか、相手のアーティストに不満や恨みがあるというよりは、「自分らしさが出せなかった」ことを後悔してるようなのですな。まあ、アーティストならばそういうことはありましょうが、それを公にするというのが彼らしい。かつ、「アラン本人が気に入っていない」イコール「駄作」ではないわけで。少なくともハードロック・ファンがアランのプレイに触れる入口としてはおおいに「アリ」だと思う次第。(ちなみに、プログレがイケる人にはU.K.の「In The Dead Of Night」をおすすめします。)

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