DON'T PASS MUSIC BY

"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳 其の一二〔287~〕

1アーティストにつき1ずつ、「これいい!」「おもしろい!」曲を紹介してまわるコーナーです。毎週水曜更新YouTubeSpotifyの力も借りて「音」への誘導もあります

〔この「目次」は記事の追加ごとに順次増えていきます〕

どんぱす今日の御膳287 [Jeff Watson]

どんぱす今日の御膳288 [Cyndi Lauper]

どんぱす今日の御膳289 [Stormwind]

どんぱす今日の御膳290 [Hydra]

どんぱす今日の御膳291 [Little Richard & 高中正義]

どんぱす今日の御膳292 [Buck Dharma(Donald Roeser)]

どんぱす今日の御膳293 [The Dictators]

どんぱす今日の御膳294 [Praying Mantis]

どんぱす今日の御膳295 [Tempest]

どんぱす今日の御膳296 [Symphony X]

どんぱす今日の御膳297 [Groundhogs]

どんぱす今日の御膳298 [Avenger]

どんぱす今日の御膳299 [Steve Morse]

どんぱす今日の御膳300 [Satan]

どんぱす今日の御膳301 [Skyclad]

どんぱす今日の御膳302 [Korpiklaani]

どんぱす今日の御膳303 [David Ragsdale]

どんぱす今日の御膳304[Inquisicion]

どんぱす今日の御膳305[Anthem]

どんぱす今日の御膳306[Harry Belafonte]

どんぱす今日の御膳307[Assassin]

どんぱす今日の御膳308 [Arch Rival]

どんぱす今日の御膳309 [Hoyt Axton]

どんぱす今日の御膳310 夏休み特集(1):ゲームミュージックを聴こう① [黎の軌跡]

どんぱす今日の御膳311 夏休み特集(1):ゲームミュージックを聴こう② [黎の軌跡]New!!

どんぱす今日の御膳311 夏休み特集(1):ゲームミュージックを聴こう②

<承前>

A:RPGだったら、やっぱりバトルの音楽は欠かせないでしょ?

B:そうね。この『黎の軌跡』は、フィールドバトルからシームレスでコマンドバトルにつながるっていう特徴があるんだけど、両者のモチーフが共通してて、耳に残るね。

A:じゃあ、それも紹介しちゃってよ。

B:バトル曲は、「OPEN THE SHARD!」です。

youtu.be

A:いろいろ紹介してもらったね。そうだ、もし歌入りの曲があったらそれも教えてよ。

B:それなら、主題歌なのかな、一つあるよ。JDKバンドの佐坂めぐみさんがヴォーカルをとる、「名もなき悪夢の果て」。サントラにはフルヴァージョンもあるけど、
ショートヴァージョンもコンパクトで聴きやすいかも。

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A:『黎の軌跡』はⅡも出ているよね。

B:うん。

A:それについてはまたの機会にじっくり聞こうか。

B:そうだね。

<特集(1)続く>

どんぱす今日の御膳310 夏休み特集(1):ゲームミュージックを聴こう①

A:今回は、ゲームミュージックの話をしてみよう。

B:いいよ。

A:ゲームミュージックといってもいろいろあるけど、まずきみはどんなジャンルのゲームが好き?

B:そうねえ、私はロールプレイングゲームかな。じっくりやりこむのが好みね。

A:なるほど。すぐ浮かぶタイトルはある?

B:わりと長いこと、ほとんど惰性でやってるのが、ファルコムの軌跡シリーズかなあ。新作が予告されてるけど、この前の『黎の軌跡』も良かったよ。

A:軌跡シリーズか。長いよね。空、零、碧、それから、閃の軌跡っていうのもあったね。

B:『閃の軌跡』は四部作だったの。

A:すごいね。なんだか、他人に思えないようなキャラも出てた気がするけど、それはそれとして。じゃあ、現時点では最新の、『黎の軌跡』で印象的な曲ってあった?

B:えーと、フィールドとかバトルの曲はもちろんよく聞いたんだけど、まず気に入ったのが、主人公の事務所の下にあるお店の曲ね。洒落たジャズ風の曲だよ。

A:へえ。ちょっときいてみたいね。

B:曲名は、「ようこそモンマルトへ」、だね。

youtu.be

A:いいねー。ほかには?

B:謎解きのときに流れる曲もあったね。主人公は探偵、じゃあないんだけど、調べたりなぞを解いたり考えたりする場面は多いの。もちろん私も考えてるわけで、そこで音楽を介してシンクロするんだよね。

A:そういうこともあるんだね。これも聴こうよ。

B:えっと、「Intelligent Analysis」です。

youtu.be

<続く>

どんぱす今日の御膳309

309

Hoyt Axton「The Pusher」(『JOY TO THE WORLD』1971)

 このひと(Hoyt Axton,1938-1999)のこと、ずっと気になってました。Three Dog Nightで有名な「Joy To The World」やRingo Starr「No No Song」、Steppenwolfの「Snowblind Friend」などの作曲者でありながら、オリジナル(原作者)ヴァージョンがあまり聴かれなかったもので……。米国のシンガー・ソングライターとのことで、CD屋でも色々探したのですが、捜索方法が下手なせいかなかなか手ごろな作品に出合えずにいたんですよね。

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 例えば今回お題の「The Pusher」ですが、私が大大大好きなバンドSteppenwolfがファーストアルバムでとり上げて(シングルカットも)、さらにその後もずっとステージで演奏し続けている超重要曲。ドラッグの売人をテーマにした曲を米国HRの元祖が力強く奏でるヘヴィナンバーですね。アメリカン・ハードロック史に残るべき里程標だから、クレジットにある原作者Hoyt Axtonのはそもそもどんな感じだったのかっていうのも、気になるじゃないですか?

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 上に記した通り本人のアルバムでは『JOY TO THE WORLD』に入っていたということですが、その少し前に『FIRST VIBRATION』(1969年)なるオムニバスアルバムに提供されたとのこと。ステッペンウルフは67年録音・68年リリースをしているので、「他者への楽曲提供」の方が先だった、という時系列理解でよいですかね。本人版は、オルガンも入る分厚いバッキングに濁声のヴォーカル、ヘヴィなリズム……つまりステッペンウルフ版に近いのです。(どっちが先かな?)

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 で、最近Hoyt Axtonのアルバム『MY GRIFFIN IS GONE』(1969年)のリイシュー版ボーナストラックに「1968年録音」というホーム・デモ(アコースティック)ヴァージョンが入っているのに気が付きました。デモだからでしょうか、アコースティック・ギター弾き語りなので、後日世に出回るヴァージョンとは印象を異にします。とはいえ歌詞は当然ながら同じなので、特にサビのところの圧力はすでにヘヴィネス有り。(なお、当該リイシュー『MY GRIFFIN IS GONE』には黒い丸のステッカーが貼ってあって、そこに「Psyche-folk classic!」とか書いてあるのね。「サイケ・フォーク」ってなんすかね。Jake Holmesくらいならわかりますけど、ちょっとああいう雰囲気もあるかも。)

 

 通常だとカントリー・ミュージックは私の守備範囲外になってしまいやすいのですが、この人の作品はロック界隈に持ち込まれたというか隣接するものも多くて、チェックしていきたい気にさせられますね。上述『MY GRIFFIN IS GONE』と近い時期に手に入れたベスト盤には「Joy To The World」や「No No Song」の本人版も入っていて楽しめたし、これまで私が知らなかった曲では、音楽賛歌らしき「Never Been To Spain」(これもThree Dog Nightのが有名なのかな?)であるとか軽妙な「Roll Your Own」なんかもあって愉快痛快。今後も何とかフォローしたいアーティストです。

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 最後におまけで。「The Pusher」は何と言ってもSteppenwolfの名演が素晴らしいわけですが、意外な(そうでもない、ですか?)歌手がこの曲をカヴァーしております。やや前に伝記的映画も出たNina Simoneさんが、『IT IS FINISHED』(1974年)にこの曲を入れています。ライヴ・ヴァージョンのようで、録音自体はアルバムリリースの数年前ということですが、やはりステッペンウルフ版以来のヘヴィな仕上がり。ただニーナ・シモンさんのことゆえ、単に人のやっていることをなぞるようにはなっていないのがまた凄い。探して聴く価値ありの重厚な5分15秒であります。