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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳297

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Groundhogs「Razor’s Edge」『RAZOR’S EDGE』(1985)

 どんぱす公認“ジョン・リー・フッカーの直弟子”Groundhogsの80年代作品。偉大なる進歩的ブルーズロッカーTony McPheeは、亡くなる2020年代までそのギターで英国の聴衆を魅了し続けた魔法使いみたいな人ですが、その魔法の杖=ギター捌きはどの時代をとっても素晴らしかった。John Lee Hookerのバックをつとめた60年代中盤、Dave KellyJo-Ann Kelly達とルーツ的ブルーズを掘り下げた60年代後半、Groundhogsを率いてオリジナリティの塊たる名作(『THANK CHRIST FOR THE BOMB』やら『SPLIT』やら……)を送り出し続けた70年代初期~中盤……と、この辺までの作品に言及されることは多いのですが、80年代以降も彼はスタジオ・ライヴ取り混ぜて多くの作品を送り出していましたよ。

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 例えばこの85年作のタイトルトラックはどうですか?「Razor’s Edge」なる題名はまさに「名は体を表す」で、凄まじい切れ味のリフ。確かにブルーズロックでありながら、この異様な疾走感……やっぱりマクフィー先生の音楽はすげえ。続く「I Confess」のハードさ、「Born To Be With You」の奇妙なスウィング、極上のリフが導く「One More Chance」……A面だけでお腹いっぱいですぜ。当時のバンドはTony(Vo, Gt)+Alan Fish(Ba)+Mick Kirton(Dr)。(え、Alan Fishって、Tredegarでプレイしてたことがあんの!!!……関係ない情報に驚いてしまいました。)

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 私が買ったアルバム『RAZOR’S EDGE』は(もちろん)再販盤ですが、ボーナストラックに「Razor’s Edge」や「One More Chance」などのライヴヴァージョンが入っててお得。これを聴いてもやはりすごいなあ。Tony McPheeって人が時代に左右されるとは思えませんが、ここまでくるとNWOBHMの時代を経て若返っちゃったんじゃないかと思えるレヴェル。ハードロック好きの人はここから入るのも大いにアリでは?