せっかく出てきてもらったんで、Dave RosenthalとBilly Joelの協働成果を観ときますか。
<関連作品>
Billy Joel『JOURNEY TO THE RIVER OF DREAMS』(1994)
- No Man’s Land
- Pressure
- Ballad of Billy the Kid
- Leningrad
- Allentown
- My Life
- I Go to Extremes
- Shades of Grey
- The River of Dreams
- Goodnight Saigon
- We Didn’t Start the Fire
- A Hard Day’s Night
- Big Shot
- Piano Man
<メンバー>
Billy Joel(Vo, Key)
Liberty DeVitto(Dr)
Mark Rivera(Gt, Sax, Vo)
Crystal Taliefero(Sax, Gt, Key, Flu, Vo)
Tommy Byrnes(Gt, Vo)
Dave Rosenthal(Key, Vo)
T-Bone Wolk(Ba, Accordion, Mandolin, Vo)
初出はVHSでした。『JOURNEY TO THE RIVER OF DREAMS』というセットで、アルバム『RIVER OF DREAMS』に伴うツアーの音源ミニアルバム+ビリー・ジョエルによる講演(Q&A)CD+93年のドイツ・フランクフルト公演の映像VHS。現在は映像が単品でDVD化されて、『LIVE FROM THE RIVER OF DREAMS』というタイトルになっているようです。
VHSテープが伸びるほど見返した……っていうのはさすがに大袈裟ですが、Youtubeなんて便利なモンが出てくる前は、「動くビリー」を観られる手段は限られていたから、重宝したもんだ。
今となっては、オリジナル・ビリージョエルバンドのリバティが全面叩きまくってるのが観られるのが貴重よね。このころが新旧交代期で、ギターのトミー、何でも屋のマークとクリスタル、キーボードのデイヴは現在までビリーのバンドに居ますからね。でね、リバティのことは当ブログでもご紹介済み(第16回「特集:このドラミングがすごい①Liberty DeVitto」(1))ですけども、もんのすごいパワーヒッターなんですよ。冒頭の二曲なんかは完全にハードロックの趣き。当時の新曲「No Man’s Land」はビリーもエレクトリック・ギターをかき鳴らしながらロックするしね。後者「Pressure」はキーボードのリフが印象的なナンバーゆえ、デイヴの出番も多めだよ。
3曲目はBilly Joel初期の楽曲(1973年発表)なんだけど、実に躍動的に仕上げられてるんですよ。T-Boneさんの細かく動くベースがユニークかな。パーカッションやハーモニカで八面六臂のマルチ器楽家クリスタルさんもカッコいいんだけど、アクションもデカくすべてを叩き潰さねば満足せんといわんばかりのリバティおじさんがとにかく強力。
さすがに4曲目のピアノバラード「Leningrad」では暴れ回りはしませんが。ソ連ツアーでの体験から生まれた後期の名曲を、フランクフルトの聴衆に披露してるっていうのもいいよね。ギターのトミーさんは、この後ずっとビリーバンドのバンマスをつとめる才人なんだけど、プレイでは目立とうとはしない堅実な感じ。ブルージーなロングトーンは得意のようですが。
次はビリーが長年愛して上演し続ける「Allentown」。メッセージ性と楽曲の力量が完璧に結び付いた作品ということなんでしょうね。その次に来る「My Life」の前奏では、Billyはよく即興的に“カヴァー”をやるんですが、このときはベートーヴェンの交響曲第九番をモチーフにしてます。ちなみに、ビリーはベートーヴェンが大好き。尊敬しまくってるそうですよ。この曲では、マーク・リヴェラさんがサックスをプレイ。マークさんは、Ringo StarrのAll-Starr Bandのメンバーだったこともあります。当ブログ(第17回「Peter Frampton」(1))でご紹介済み。
<続く>