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"Secrets are fun to a certain degree, but......"<Jake Holmes>

第50回「Red Dawn」(4)

 Billy JoelバンドにおけるDave Rosenthalさんの仕事を観てみようっていう企ての、続き。7曲目以降にいきます。(1-6曲目は前回をご参照。)

 

<関連作品>

Billy Joel『JOURNEY TO THE RIVER OF DREAMS』(1994)

  1. No Man’s Land
  2. Pressure
  3. Ballad of Billy the Kid
  4. Leningrad
  5. Allentown
  6. My Life
  7. I Go to Extremes
  8. Shades of Grey
  9. The River of Dreams
  10. Goodnight Saigon
  11. We Didn’t Start the Fire
  12. A Hard Day’s Night
  13. Big Shot
  14. Piano Man

<メンバー>

Billy Joel(Vo, Key)

Liberty DeVitto(Dr)

Mark Rivera(Gt, Sax, Vo)

Crystal Taliefero(Sax, Gt, Key, Flu, Vo)

Tommy Byrnes(Gt, Vo)

Dave Rosenthal(Key, Vo)

T-Bone Wolk(Ba, Accordion, Mandolin, Vo)

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 「I Go to Extremes」はリバティ大活躍のロックナンバー。『STORM FRONT』のライティング/レコーディング・セッション時に、リバティが繰り出した激しいビートがヒントになってできた曲だそうです。ビリーがピアノも弾いちゃうこの辺ではデイヴさんは主にバッキング・ヴォーカルで貢献してますね。次の「Shades of Grey」は新作『RIVER OF DREAMS』からの曲ですが、やはりハード度高め。『RIVER~』では大半をセッションドラマーが叩いていたのですが、この曲だけはスタジオでもリバティがプレイしてました。この曲ではめずらしく(?)トミーさんのまとまったソロが聴けます。

 

 「The River of Dreams」は、お察しの通り『RIVER~』からのナンバー。細かい話ですが、アルバムタイトルは定冠詞が付かず、曲名は「The~」となりますからね。King Crimsonのファーストが『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING』なのに、収録曲は「The Court of the Crimson King」、みたいなもんか、違うか。ダンサブルな楽しいナンバーではありますが、バンドが途中静止する部分で演奏を停めた後、フランクフルトの聴衆が自発的に歌い続けるところなんかは素晴らしい。まだアルバムが出てからそんなに長い時間は経ってないはずなのに、浸透してるんですからね。

 

 この辺からもう佳境に入っているんですが、ここで重厚な「Goodnight Saigon」が登場。ヴェトナム戦争について歌った、ビリーのシリアスサイドを代表する楽曲。彼はこの曲を自らずっと歌い継いでいますね。あまり映らないんですが、終盤のオーケストレーションはデイヴの仕事ではないですかね。

 

 次もある意味社会派の曲なんですかね、1949年以降の現代米国史の事件をひたすら挙げる「We Didn’t Start the Fire」。無茶苦茶ヒットした曲なんで、聴衆も盛り上がりまくりですが……やっぱり凄い‟歌詞”だなあ。リバティも元気一杯。で、その次はThe Beatlesのカヴァー「A Hard Day's Night」なのね。ビリーのビートルズ愛は周知のところだし、ソ連ツアーに行った時も「Back in the USSR」をやったりしてました。T-Boneさんのベースは、ポール・マッカートニー風味があるかもしれないな。

 

 あとは締めくくりのお約束、「Big Shot」。ヘヴィなロッキンナンバーですが、ビリーはマイク片手にステージを練り歩き、グランドピアノの座席はデイヴに譲ります。ビリーの信頼を受けてニコニコピアノを弾いてるこの年に、デイヴはRed Dawn計画を進めてたんですかねえ、って考えると面白いね。クリスタルとマークのダブルサックスも分厚い。曲の終わり間際にグランドピアノに乗っかる(文字通り)ビリー、最後はそこで一瞬倒立(?)を決めてからステージに下ります。

 

 かように散々暴れ回った後に、アンコール的に演奏されるのが、「Piano Man」でございます。ハーモニカはビリー自身が吹き、T-Boneさんがアコーディオン、クリスタルさんがベース……っていう特殊編成。コーラス“♪Sing us a song, you’re the piano man……”のところは聴衆大合唱。デイヴさんはと……探しますと、この曲ではサポートキーボードの出番は少ないのか、専らコーラス要員となってました。

 

 もうこれから四半世紀以上になりますが、才人デイヴ・ローゼンタールはいまだにビリーの片腕たり続けているんだからたいしたものですね。Youtubeには最近のインタビューってのもあって(デイヴのね)、‟ビリーのバンドで演奏すること、特にライヴでやることを楽しんでる”ってなことを仰ってましたよ。

<完>