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第48回「Pat Boone」(3)

 通して聴くといろいろわかることがありますね。(1)Pat Booneは(やはり)歌が上手い。(2)HR/HMの名曲はビッグ・バンド・アレンジを施しても名曲。(3)グレッグ・ビソネットは名人。

 

 (1)に関しては、実は私はPat Booneさんのことをほとんど(リアルタイムはもちろん、後から追っかけても)知らなかったのですが、たいへん失礼いたしました。パット翁といって思い出すのは、昔むかしの「基礎英語」というラジオ番組。神保尚武先生が講師だったと思いますが、歌のコーナーにDebby Boone(デビー・ブーン)の「You Light Up My Life」が紹介されたんですね。あのときは歌詞を写したりして英語の勉強したもんだ。で、その時に確か教材の解説欄に「お父さんが有名な歌手のパット・ブーン」ってあったのよ。ただ私は、「よーし、おやじさんもチェックだ!」とは(当然)ならず、名前しか憶えなかったと。……それで、時を経て始めて買った親父さんのアルバムがコレですわ。

 

 いまアルバムをしまい込んじゃっててライナーが手元に無いんですが、この「ハードロックをカヴァーしよう」という企画は、パットさんと彼の信頼するアレンジャーとの二人三脚のような形で進んだのだという記述を見た気がします。(2)に関連する部分ですが、これはアレンジャーの方の功績も大きいですね。選曲にしても編曲にしても見事です。

 

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 でもね、「メタル敵視の80年代後半」はもう過ぎ去っていたとはいえ、保守的な人も少なくない米国のこと、Pat Booneがレザーを着てバイカー風の装いで出てくる、っていうのに反感を持った人も少なくなかったらしいんですよ。そのせいで、彼がレギュラー的に出ていた番組を降ろされた(一部のクリスチャンからのクレームが原因、だったかな?)なんてこともあったみたいです。

 

 じゃあ、パットさんはこの作品のことをどう思っているのでしょう。今風にいえば「黒歴史」ってことにしちゃってたら、ロックファンとしては残念だなあなどと勝手に心配していたら、こんな動画を見つけましたよ。

 

https://www.youtube.com/watch?v=aPHoPqkwpsA

 

 数年前の映像のようですが、まず翁が元気なのがすばらしい。曾孫が九人いる正真正銘のおじいちゃんだけど、まだツアーしてるっていうから凄いね。Mick Jaggerどころじゃない。そしてこの中で昔を振り返ってるんですが、『IN A METAL MOOD』のこともひじょうにポジティヴに振り返っておられるのがとても嬉しいですな。一部保守層を敵に回してまで本人が信念をつらぬいて作ったものを、HRファンの側が受け止められなきゃこっちの名折れだわ、と思っちゃう次第。

<続く>