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どんぱす今日の御膳287

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Jeff Watson「Forest Of Feeling」(『LONE RANGER』1992)

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 ちょっと前にNight Rangerを取り上げましたが、今回はそのメンバー(だった)ジェフ・ワトソンのソロから1曲いきましょう。

 お得意の8フィンガー奏法も含め弾きまくりの一枚なんだけど、ハードなナンバーからアコースティックまでいろいろなうえ、要所要所でうまくゲストを迎え入れていて、飽きさせない。私は結構いいソロ・アルバムだと思うんですがねえ。私の大好きなSteve Morse先生との共演もあるし(「Talking Hands」)。

Primary

 さて、浮遊感あるイントロで始まり、スケール感のあるハードロックに展開するのが「Forest Of Feeling」。前半はジェフの弾きまくりで、それを支えるドラムは……Steve Smith(Journeyなどでプレイした凄腕)。だけど、この曲の主役は彼らではないの。1分48秒から1分以上にわたって壮絶というしかないソロを繰り広げるお方。このスケール、音遣い、唯一無二のAllan Holdsworth先生でございます。3分40秒あたりからは、ジェフ先攻・アラン後攻でギター・バトルに突入(ちなみにバックのドラムも凄いことになってる)。ジェフも気合が入っててなかなか美しいフレーズを繰り出しますが、余裕で応じるホールズワース師。なかなかいい光景ですよこれは。

 と、私は結構好きな曲なんですが、アラン自身は気に入っていなかったらしいのだ。いまはもうなくなっちゃったようですが、かつてアラン・ホールズワースのオフィシャルサイトの一部に「参加しなきゃよかったなあ、と思うレコーディング一覧」というコーナーがあって(笑)、この曲を含む数十に及ぶセッションが列挙されていました。うろ覚えになるのですが、Frank Gambaleとのギター・バトル・アルバムなんかもそこに入れられていたし、Gordon Beckとの協業も含まれていた気が。

 なんというか、相手のアーティストに不満や恨みがあるというよりは、「自分らしさが出せなかった」ことを後悔してるようなのですな。まあ、アーティストならばそういうことはありましょうが、それを公にするというのが彼らしい。かつ、「アラン本人が気に入っていない」イコール「駄作」ではないわけで。少なくともハードロック・ファンがアランのプレイに触れる入口としてはおおいに「アリ」だと思う次第。(ちなみに、プログレがイケる人にはU.K.の「In The Dead Of Night」をおすすめします。)

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