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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳300

300

Satan「Key To Oblivion『INTO THE FUTURE』(1986)

 記念すべき300回目はやはりメタルで!

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 NWOBHMの名バンド中の名バンド、Satanの「Key To Oblivion」です。大仰なイントロから十八番の刻みリフへつなぎ、パワーハウスSean TaylorのドラムとGraeme Englishのドライヴィングベースのもとで疾走する上を、隠れた名シンガーMichael Jacksonのタフヴォイスが舞う。“♪Into the future, back to the past......”、Satan節全開の名曲ですよ。Russ TippinsとSteve Ramseyによる長尺ソロも「らしさ」いっぱい。『COURT IN THE ACT』も名盤ですが、これもイイ!

Primary

 

 なんて言いながら、私も実はコレにたどり着くまでに時間がかかってます。『COURT IN THE ACT』の味わいには一時期とりつかれたことがありましたが、バンドのその後の作品まではフォローしてなかった。Brian Ross(Vo)はもういない、っていう情報だけがあったからかも。そんな私を導いてしまったのは、伊藤政則先生のPower Rock Todayでしたよ。あるときラジオを何となく流して聴いてたら、割と深い時間帯に「Fuck You~The Ice Man」が掛けられたのです。Satanが再結成するのなんて影も形もない時代のこと、なんであの曲が掛かったのかなあ。とにかくそのカッコよさにしびれまして、「エッ!これがSatanなの!新ヴォーカリスト(*この言い方は変だな?)もいいじゃん!」となって、アルバム探しが始まるのでした。なかなか無かったけど……。念願かなって2in1のCD『INTO THE FUTURE/SUSPENDED SENTENCE』を入手できたときはホクホクでした。思い出の「Fuck You」(インスト)も繰り返し聴けるしねえ。ちなみに、1987年当時の作品ジャケット・クレジットを今調べて見たら、アルバム裏ジャケットには「You」、レコードのラベル面には「・・・・You」とだけ印字されてました。私のCDは先に記した通りでしたから、出た当時は“あの言葉”は憚られたのでしょうね。

 

 『SUSPENDED SENTENCE』の内容もよいですが、「Key To Oblivion」から「The Ice Man」まで含む『INTO THE FUTURE』の4曲は捨て曲も隙もないまさに名作……と思っているのですが、実は本作について個人的にずっと謎だったことがあるのです。購入後さらにSatan情報に触れる中で、『INTO THE FUTURE』の4曲は、同年に作られたという『DIRT DEMO ‘86』なるデモテープ収録曲と完全同一だということが判ります。これは、デモテープがそのまま商品化されたということなのか、デモにもとづいて新規レコーディングが行われてミニアルバムが完成したのか?

 

 長らく確かめようがなかったのですが、つい最近Satanの発掘音源集『EARLY RITUALS』というのを手に入れまして、そこに問題の『DIRT DEMO ‘86』が収録されていたのです。パッと聴いたところ、両者はよく似ているようでした。うーん、どうなんだろう。ということで力業、「同時に再生」して聴き比べてみました。私の結論としては「両者は同じ」です。デモテープがそのままミニアルバム化されたのでしょうねえ。(ただし!『INTO THE FUTURE』版では「The Ice Man」の終演後に変なロックンロール調のインストが“♪てけてん、てんてけ…”って30秒ほど入って締めくくるのですが、『EARLY RITUALS』を聴く限りそれがありません。『EARLY RITUALS』『DIRT DEMO ‘86』を忠実に収録しているのであれば、この「てけてん」“30秒”のみが、新録(当時)だった可能性有り、かと。誰の何の役に立つんだこの情報?)

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 ご存じの通りSatanは2010年代に名ヴォーカリストBrian Rossを含む『COURT IN THE ACT』ラインナップで復活。再結成アルバム各種も佳作揃いですばらしいわけですが、Michael Jackson時代(やや後の変名Pariah時代を含む)も良かったよ!ということですね。いやあ、ヘヴィメタルは楽しいね。