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どんぱす今日の御膳152

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The Knack「(She’s So)Selfish」(『GET THE KNACK1979)

 ザ・ナックのことを‟「一発屋」といって片付ける人”とは仲良く出来そうにありません……が、確かに「My Sharona」のインパクトが強力なことは否定できないや。別に洋楽ファンでない人にまで知られる曲っていうのはそうそうないわな。

 

 アルバムとしてこのファーストアルバムを聴くと、The Kinksのファーストをどうしても想起してしまうのですが、それは突出した異常ソングがあるから。キンクス『KINKS』は、他は60年代的ポップス及びR&Bカヴァーの中に一曲だけ明らかに異質な「You Really Got Me」が収まってるのですが(小生の「You Really Got Me」研究については第36回「You Really Got Me大特集」(1)などを是非ご覧下さい)、『GET THE KNACKでも「My Sharona」はもう明らかに「浮いて」いる。

 

 他の曲は軽快だったりマイルドだったりいわゆるポップロックの王道ソングスで、出来も水準以上なのですが、「My Sharona」はそのどれとも似ていないのです。私の持ってる再発『GET THE KNACKにはボーナスで「My Sharona」のデモ版(針金ギターと歌だけ)も入ってるのですが、それを聴くと「ああ、まあありがちな厚手コーラスの歌モノか」と思うのですが、完成版はドラムのパターンからして(シンプルなんだが、コロンブスの卵的な意味で)個性的なロックソングに生まれ変わってるのです。バンドのセンスか、プロデューサー(名匠Mike Chapman)の手腕か……

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 おっと、話が逸れました。アルバム『GET THE KNACKは、他の曲も高水準だと言いたかったのでした。1曲目のの潔く快活な「Let Me Out」、メロディアスな「Oh Tara」、ビートルズ譲り(?)のキャッチーな「Good Girls Don’t」、Buddy Hollyが演りHumple Pieもカヴァーした「Heartbeat」……なかなか多彩ですぞ。

 

 中でもドン・ドンドン・ドンツクのジャングルビートが粋なヘヴィ(彼らにしては)ナンバー「(She’s So)Selfish」が私的嗜好品。Doug FiegerとBerton Averreの楽曲も良いが、私としてはドラムのBruce Garyに敬意を表しておきたいです。音の録り方もいいのかもしれないが、この人の打音はすげえ心地好いの。

 

 メタル・ファンならご存知Mike Terrana(Yngwie MalmsteenRageAxel Rudi Pellほか色んな連中と仕事してきたドラムモンスター)さんが、「ゲイリーのドラミングは大好きだった、80年代後半L.A.にいた頃に会えてうれしかったね」と言ってるのに最近気づいて、何となく嬉しくなっちゃった。