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Leo Sayer「One Man Band」(『JUST A BOY』1974)
英国の名シンガー・ソングライターLeo Sayer、1974年の曲。……ただし私は他人が歌ったヴァージョンにてこちらを知りました。その他人とはだれあろう、The WhoのRoger Daltrey。
というか、正確にはロジャーのファーストソロ(The Who在籍中)『DALTREY』(1973)の曲はほとんどLeo Sayer & David Courtneyの手になるものでした。どうも、レコード契約が取れなくて苦労しているとセイヤーから聞かされたロジャーが、「じゃあ俺のソロ・アルバムに曲を書かないか」と持ち掛けたのが端緒だったみたい。
いわば、1974年のレオ版は「セルフ・カヴァー」なわけですね。ご本人もなかなか味のある声をお持ちだ。アコースティック主体の牧歌的な曲のようでありながら、よく聴くと笛や太鼓(金物)など巧妙に重ねられているね。“♪I’m a one man BAND~”の“band”のところの発声がR・ダルトリーと違って「バイーンドゥ」って聞こえるのがおもしろい。(ロジャーはもっとさらっと歌ってる。)
『JUST A BOY』には他に、やっぱり『DALTREY』に提供したバラード「Giving It All Away」のセルフ・カヴァーもあり。両アルバムを聴き比べるのも一興かと。
といったあたりでお分かりかもしれませんが、ロジャー・ダルトリーのファースト・ソロアルバムは、ロック色薄めなんですよね。ハードロック馬鹿の私はその良さがよくわかっていなかったけど、いま聴くといいのよ。ドラムがBob Henritさん(元Argent、後にThe Kinks!)だしね。