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"Louis XIV, finesse and force......."<Chroming Rose>

温故知新旧稿再録(3)「ハードロック前史」(前篇)

 こんどはこんなの。前回イヴェント(2004.4)の半年後に開催された「会」で配付された(と思しい)資料「ハードロック前史」でございます。しかしまあ、偉そうな文章をよく臆面もなく配っていたものだなあ。確認ですが、会合は「実際の音を聴きながらの飲み会」が趣旨だったんですがね……


 相変わらず文字だらけで恐縮。前・中・後篇に三分割して掲載させていただきます。例によって改竄・統計修正なしでお届け(段落だけは読み易く分けました)。
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「ハードロック前史」(前篇)
1.The Kinks 「You Really Got Me」(THE KINKS)(1964)
The Kinksは、The BeatlesThe Rolling Stonesを追う形でデビューしたバンド。最初期はR&Bのカヴァーをよくするビートバンドに過ぎなかったが、バンド(メインコンポーザーはRay Davies)のオリジナルにこだわり、次第に個性を獲得していった。


 バンドは初期のギターロックの時期を経て、60年代末にはロックオペラに取り組むようになる。70年代にはホーンセクションを導入するなどやや実験的なことも試みるが、パンク・ムーヴメントが起こると、再びシンプルな音像に回帰する。80年代後半からはオリジナル発表ペースは遅くなったが、バンドは今尚生き続けている。The Rolling Stonesと並ぶ、最長不倒ブリティッシュバンドである。
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 彼らはハードロック側からもパンク側からもオリジネイターとして支持された数少ないバンドで、彼らの曲をカヴァーしたアーティストも少なくない。有名どころでは、The Jamが「David Watts」を、The Pretendersが「Stop Your Sobbing」をカヴァーしヒットさせている。


ハードロック側での有名なカヴァーは何といってもVan Halenによる「You Really Got Me」であろう。第一回音呑みでそちらを紹介したが、オリジナルはこれ。いやでも耳に残るギターリフ、弾きまくる間奏のギターソロ……この曲がハードロックの源の一つの言われる所以である。ディストーションもファズも(つまりギターエフェクターなど)無い時代に、これだけ歪んだ音を出しているのは衝撃的である。


 もともとRay Daviesが家のピアノで作ったリフを、弟Dave Daviesのギターで弾かせたのだが、気に入った音が出なかったDaveがいらついて自分のアンプのスピーカーに耳掻きで?穴を開けたところこのようなサウンドが得られた、とか、はじめスタジオでとったヴァージョンにはJimmy PageJon Lord(二人とも60年代はセッションマンだった。のちにそれぞれLed ZeppelinDeep Purpleを結成してハードロック界の大御所となる)が参加していたが、Rayは気に入らず没にして自腹でリ・レコーディングして完成させた、とか、逸話に事欠かない。
 
2.The Who 「My Generation」(『MY GENERATION)(1965)
先日ロック・オデッセイというイヴェントでバンドデビューから40年にして遂に初来日を果たしたブリティッシュロックバンドThe Who。彼らもまたハードロック前史を彩るグループである。

The Kinks同様ビートバンドとして出発したが、メインコンポーザーPete Townshendの才能はその枠に収まらず、史上初にして傑作の誉れ高いロックオペラTOMMYをも完成させた。一曲一曲が独立した作品として高いクオリティを保ちながら、全体が一つのコンセプト・ストーリーを構成し、聞き手を刺激し続けるというとんでもない作品である。

 1970年に入るとスタジオ作はこうした凝ったものが増えていくが、ライヴでは初期からのワイルドなステージングを展開、名作LIVE AT LEEDSではその凶暴性が垣間見える。特に、「リズムキープ」とは無縁なKeith Moonの叩きまくりドラム、音のでかさと音数の多さでは屈指のJohn Entwistleの弾きまくりベースが凄い。二人ともすでに故人なのが本当に惜しい。
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My Generation」は、The Who 3枚目のシングルで、全英2位を獲得。いわゆる歌モノポップスと違い、ギター、ベース、ドラム各パートの技が強調されている。このうるささが、後述するように、Paul McCartneyをも刺激したのである。また余談だが、歌詞に「Hope I die before I get old」とあるのだが、書いた当のPete Townshendはこれを後悔しているとか……60歳になってもこの曲をライヴでやれるのはカッコいいと思うが。


尚、この曲もカヴァーが多い。Iron Maidenがカバーしたほか、現代アメリカパンクの大物Green Dayがインディ時代にやっていたり、マイナーどころではソ連のバンドGorky Parkがそのデビュー作でやっていたりする。
 
3.The Beatles 「Helter Skelter」(THE BEATLES)(1968)
このバンドについては多言を要すまい。あまりハードロックとの関連で語られることは無いが、ハードロック界の人士の多くも彼らからの影響を公言している。ハードロック、プログレッシヴロックなどにも多大なヒントを与えたグループであったことは間違いない。
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そして、ハードロックと直結するのがこの曲である。作曲者Paul McCartneyによると「The Whoみたいな騒がしい曲を作ってみたかった。」歪んだギターサウンド、荒っぽいシャウト、単純ながらドライヴするドラム。The Beatles流に解釈されたハードロックは、後の一つの規範となったようだ。この曲は、AerosmithMötley CrueU2などのカヴァーがある。<前篇終わり>
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そうそう、ソ連Gorky Parkってあったねえ。Bon Joviが気に入って支援したんじゃなかったかな。「My Generation」は妙なヘヴィロック調で「?」だけど、同じデビューアルバム『GORKY PARK』の一曲目「Bang」は名曲だよね!
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……また話がそれました。次回をお楽しみに。