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"But holy men and kings would die in the year Twenty Twenty-five......"<Satan>

第45回「Mark O'Connor」(4)

 前回の続きで、Mark O'Connorさん入りのThe Dregs(Dixie Dregs)作品のお話です。

The DregsINDUSTRY STANDARD1982
1. Assembly Line
2. Crank It Up#
3. Chips Ahoy
4. Bloodsucking Leeches
5. Up In The Air*
6. Ridin’ High
7. Where’s Dixie?
8. Conversation Piece
9. Vitamin Q
<メンバー>
Steve MorseGt
Andy WestBa
Rod MorgensteinDr
T LavitzKey
Mark O’ConnorVln
 +
Steve HoweGt*
Alex LigertwoodVo#
Patrick SimmonsVo)♭

 

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冒頭の「Assembly Line」は、Andy & Rodの強靭なリズム隊の上でリード三者が舞い踊る、彼らの十八番。T Lavitzさんのピアノはジャズ風味強め。そのピアノソロを受ける形で、短いながらも華麗なソロを決めるMark O’Connor。あとは、最近聴けてないんですがラジオbayfmPower Rock Today伊藤政則さんの番組)の“プライム・ムーヴァー”というコーナーのBGMがずっとこの曲ですね。
 
そしてお次が新機軸のヴォーカルナンバー「Crank It Up」。Alex Ligertwoodさん(Santanaでの活躍が有名)が歌います。TV出演してこの曲をやってるThe DregsYoutubeで観られたはず。凄いねえ。

Steve Morse先生は後にKansasに入って「歌モノ」の世界でも活躍しますけど、これはその先駆けという感じで、程よく疾走するメロディアスな佳曲。ソロもとるけどMarkのプレイは控え目かな。T Lavitzのオルガン・ワークがいいアクセント。Morse先生のプレイは完璧、終盤のソロは最高だ。
 
あああ、いま思い出したけど、Steveと共にプロデュースに当たってるのはEddy Offordさまじゃないですか。Yesでの仕事は神業ですな。本作のカギを握るお人かも。
 
3曲目の「Chips Ahoy」は、後にSteve Morse Bandでも好んでやるような、クラシック(バロック?)の作法を踏まえたエレガントチューン。140秒辺りからのMarkのヴァイオリン・ソロも端正。
 
続く「Bloodsucking Leeches」は、「Assembly Line」ともども彼らのお気に入りで、ステージでもよく取り上げられているもよう。(LIVE INCONNETICUT 2001で聴けます。ヴァイオリンはなんと元Mahavishnu OrchestraJerry Goodman!)重く弾むドレッグズ流ロック。さっきも書きましたが、Steveと並んでギターを弾くMarkが観られますんで、動画を探して御覧なさい。とっても楽しそうなロッド、貫禄たっぷりのアンディ、多種鍵盤を見事にさばくT・ラヴィッツも素敵です。
 
いささか騒がしく盛り上がった後に来るのは、クラシック・ギター二本によるバロック小品「Up In The Air」。Steve Morseクラシック・ギターを修めた人なんでこういうのが出てくるんですが、本曲はゲストが凄い。Eddy Offordプロデュースと関係があるのかわかりませんが、YesSteve Howeさんとのギター・デュオ。モーズ先生にとって、ヒーローとの共演は嬉しかったことでしょう。


短いけどいい曲に仕上がっていて、後にも相手を変えて時々再演してます。例えば、(本職の)クラシック・ギタリストManuel BarruecoのアルバムNYLON &STEEL2001)では、この曲(他にも数曲ありますが)で共演。また、Steve Howe先生とは録音は別々だったみたいですが、TV番組か何かのでこの曲をTriumphRik Emmettと生演奏してる映像(1987年らしい。Thanks, Youtube!)には仰天しましたね。最初はちょっと緊張してる風だったのが、だんだんリラックスしていって、一糸乱れぬ演奏が終わるとリックはガッツポーズ、二人で握手。Steveもそうだけど、Rik Emmettのことも尊敬し直すことに決めました。

1987トライアンフのアルバムSURVEILLANCEにはSteve Morseがゲスト参加してるのですが、「HeadedFor Nowhere」っていう曲(これは疾走ロッキンナンバー)の終盤にとんでもないギターバトルが待っていますのでこちらも是非。
 
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おっと、主役のMarkから離れちゃいました。B面に行きましょう。「Ridin’ High」はPatrick SimmonsTheDoobie Brothers)をフィーチュアしたもう一つの歌モノ。ゆったりしたシャッフルにパトリックさんのヴォイス……アメリカン・ロックの味わい十分ですが、器楽に隙が無い。
 
次の「Where’s Dixie?」は、Dixie Dregs時代からお得意の軽快なカントリー・チューン。Markさんのヴァイオリンが堪能出来ます。1分過ぎからのプレイは美しい。その後に続くSteveのギターソロ、Tのピアノソロもコンパクトながらグレイト。ところでタイトルは、「Dixieをバンド名から外しちゃったけどさあ……」っていうジョークなんでしょうかね。
 
8曲目は、「ConversationPiece」。「Chips Ahoy」とはまた別に、クラシックを感じさせるシンフォニックなスロー・チューン。310秒過ぎからのT Lavitzシンセサイザーがいいなあ。本作中最も「プログレ」を感じさせてくれる曲かも知れない。終盤のスリリングなギターソロにはロック魂がある。
 
締めくくりの「Vitamin Q」。(Qってなんだろうね?)ヘヴィなベース・パターンが引っ張るゆったりした曲。215秒辺りからヴァイオリン・ソロ……Markさんの見せ場多し。Tさんのキーボードソロがピアノ一辺倒じゃない(けっこうシンセ類もふんだんに使ってる)っていうのも、今回聴き直して再発見しました。うむ、楽曲最後もきれいに閉じましたね、美しいエンディング。

Steve Morse先生。!Deep Purpleの一員として来日された際に拝んで以来大ファンなんですが、Dixie DregsSteve Morse Bandで日本に来てくれませんかねえ。<完>