まあ、そうやっていろいろ頑張ったわけですが、今年もまずはオーディションがあるのでした。3年生だからといって特別扱いはないの。やっぱり緊張はしましたよ。2年生のバンドにも上手な連中がいっぱいいましたからね。何の曲をやったんだっけな……「Jump」をやったような……あとは、あれ……?うう、忘れました。幸い、出場権は獲得出来、当日を迎えることが出来ました。
文化祭ライヴのセットリストは以下の通り。出番は2回ありましたが共通だった筈です。
3.楽園[The YellowMonkey/1996]
5.Merry-Go Round[布袋寅泰/1991]
6.Poison[布袋寅泰/1995]

泣いても笑ってもこれが最後、という異常なテンションで臨んだラストライヴ。バンド・イヴェントと違って、ふつうのクラスメイトや他学年、保護者も観に来るという状況は個人的には燃えました。学校の視聴覚室をステージに改造した舞台でいざ開演。
手元にあるのは、親に頼んでテレコで録ってもらったカセットテープ音源なので音質はまさに「ブートレッグ」ですが、おかげで細部のアラが目立たなくなる怪我の功名、団子状の音塊が迫力有り。冒頭は「Rocket Dive」。6月のときよりだいぶ一体感が増して、かなり良い出来。とりわけギターソロ以降の展開はイイね。
この「Rocket Dive」はチューニングが他と違うので、終わった後2曲目以降のチューニングに直すための間が必要となるのですが、ここでちょっとした演出。曲を切って弦楽器隊がチューニングし出すのはアレだってことで、「弦の三人がチューニングを合わせる間、ドラムオンリーで次の曲のビートを叩き続けろ」っていう指令を受けていた筆者は、「D.O.D.」のテンポでバックトラックを叩き始めたのでありました。
演出としては悪くなかったと今でも思っているのですが、実は私がギタリストの出す「チューニング終了、OK!」のサインを誤解して先走ってしまいまして、全員のチューニングが揃う前に、フィル・インを入れて曲を始めちゃったんですよ……皆、すまん! 曲が中盤に来るあたりにはなんとか追いついてくれて、完奏しましたが。テープを聴くと、ベースが安定してて曲の骨格を守ってくれてますね。かたじけない。
3曲目は、十八番といっても良いでしょう、「楽園」。あんまり身内が褒めるのもなんですが、Aは歌がうまいね。“♪赤い夕日を浴びて黒い海を渡ろう……”のくだりなんかは、キーボードのバックアップも相まって、厳かなまでに。もうちょっとドラマーOが落ち着いてたら最高の出来なんだが。
「いまやった曲はぜんぶ、過去にやったことある曲なんですけど、この曲はこの最後のライヴのためにみんなでコピーした曲です、ever free」というAのアナウンスから始まる「ever free」が4曲目。しかし、hideっていう人は優れたメロディーメイカーだったのですね。当時は自分の器楽パートで手いっぱいでしたが、歌メロをしっかり聴いみるとわかります。NAPESの演奏もだんだん熱が入り、ソロあけの“♪割れた太陽みたいに……”あたりから、転調をはさんでエンディングになだれ込む流れはなかなかのもの。初披露の曲でしたが、フロアが盛り上がってくれてよかった。
ここから二曲、Tがヴォーカルをとって布袋さんナンバー。まずは「Merry-Go Round」。この曲もドラマーのせいでテンポアップしてるんですが、原曲のビートが比較的加速を許してくれる(?)類型のためか、さほど変な感じにはなってない、と思う。通常より速弾きをしないといけないギターやキーボードは困ったかもしれないけど。でも、Tのソロは完璧。「Poison」は、歌のバックで鳴るキーボードが華麗。ドラムも、ややテンポ速めだけど安定はしてる。
<続く>