DON'T PASS MUSIC BY

"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

「Teenage Dream――回想録――」(5)クリスマス・ライヴ(後)

 クリスマス・ライヴ話の続き。

1.楽園[The Yellow Monkey/1996]
3.Basket Case[Green Day/1994]
4.My Sweet Dog[Hi-STANDARD/1997]
5.D.O.D.(Drink Or Die)[hide/1994]
6.Poison[布袋寅泰/1995]
7.Change Yourself ![布袋寅泰/1997]
8.Misery[hide/1996]
10.Lounge Act[Nirvana/1991]
11.Poison*
 
12.D.O.D.*
 
Aは熱心なhideのファンで、バンドにいろいろ紹介してくれましたけども、T布袋寅泰を気に入ってて積極的に取り入れてくれました。私は邦楽無知だったので、どちらも言われるがままに聴いて、叩いて……という流れでしたが、結局はフェイヴァリットになりましたよ。「Poison」はドラム初心者からすると、「楽園」とはまた別の意味でチャレンジングでした。キックの位置にハイハットがつられないようにする、なんていうのは基本的なポイントですが、ドラム自学自習者にはそれなりのハードル。キメで入る6連タムのフィル・インなんかも正直苦手だった。この曲では鍛えてもらえましたね。自分が得意じゃないようなものもいろいろ学ぶことになる、そういう意味では「バンドやる」っていうのは個々の楽器を修めていく上でもメリット大だね。
 
布袋さんの「Change Yourself !」は当時の新曲だったんじゃないかな。97年だから、そうですね。こちらはストレートな8ビートで、シンプルに楽しかった。あらためて聴くと、ポジティヴな歌詞が良いです。私たちのバンド(特にギター部門)は凝り性だったんで、サビ前の“ジャジャッ!ジャジャッ!ジャジャッ!ジャジャッ!ジャッ、ジャッ!”(Gtリフ)のところが“ステレオに”なるように、2人が交互に弾くようなこともやってました。手元の音源でもその点はクリアにわかる。あと、こういう明るい曲を歌うKのヴォーカルもいいなあ。当時叩いてるときは余裕がなくて味わえなかったけど、みんなのコーラスワークも、キーボードのさり気ないバックアップも良かったね。
 
次が個人的にはチャレンジだったhideMisery」。練習音源を聴いても、イントロのリズムパターンの表裏がうまくコントロールできず若干余裕のないドラマー(=筆者)が痛々しい。展開がしっかりあって、歌詞も深みがあって、器楽の見せ場も多い“好きなタイプ”の曲だったんですけど、“うまく”演奏できるかは別問題で……。クリスマス・ライヴの音源を聴くと、冒頭の4カウント(ドラマーがスティックで数える)がちょっと速すぎて、全体にテンポアップしてしまってます。これはもうお詫びするほかない。少なくともドラムに関してはリヴェンジが必要な出来でした。ギターソロなんかは音色からフレージングまでよく練られているなど、このバンドらしさが出ているのですけど。
 
NirvanaSmells Like Teen Spirit」は、NAPESが最後まで持ち曲(?)にしていたナンバーで、フロア受けもよかった気がします。シビアに聴き直すと、このテイクは、ドラムが例によって重厚感を欠き、弦のチューニングにも何らかのずれがあったみたいで、やや残念。このライヴでおもしろいのは、Nirvanaからもう一曲やってることですが、よりによって「Lounge Act」っていうのが凄い。こんなのやってるバンド知らないなあ。ベース・ソロから始まるので最初はHの見せ場。一番・二番と抑えた歌唱とギターのトーンだたのが、三番で大爆発する――ヴォーカルはオクターブ上がってシャウトするし、ギターは歪みが強烈になる、ついでにドラムも叩きまくりになる――っていう曲調が面白くて、自分らでは盛り上がってたんですが、ライヴでやってフロアは付いてこれたのでしょうか?しかも、この曲で本編終わりですからね。「楽園」で始まったステージが「Lounge Act」で締め。(後に余剰時間を使ったアンコールはありますが。)
<続く>