3.楽園[The YellowMonkey/1996]
5.Merry-Go Round[布袋寅泰/1991]
6.Poison[布袋寅泰/1995]
その「Poison」のラストノートを伸ばした状態から、次曲「Jump」のイントロへつながります。これはもうNに脱帽で、フレーズ・音色とも原曲の再現といって差し支えない出来。YのドラムとHのベースが加わって本編スタート。ヴォーカルのAはこの曲のときはギターを置いて歌に専念したんだったかな。この曲はさすがに有名みたいで、決して洋楽ファンばかりではないフロアにも受けていたと思います。
そしてなんといってもVan Halenをやるからには、注目はギターソロ。Tがソロを弾き始めると、フロアは大歓声。タッピング・パートも見事にこなして仕上げました。相当ギターのうまいAが「こいつはうまい」といっただけのことはある、Tの腕前を再認識。ライヴでは、ギターソロ後の間奏パートを利用して、Aが各メンバーを紹介しました。(T→H→Y→N→Aの順。)ちょうど案内が終わると、キーボードの華麗なパートが重なって、そこからイントロフレーズ再スタートになるという好タイミング。狙ってたとしたら、Aはたいしたもんだ。
同じく洋楽ながら、次はポップ・パンクの典型ともいえそうな軽快な「Silly Thing」に。ドラマーとしては、Paul Cookの叩き方は好きです。彼らが活動した70年代末に、「ポールのドラミングは単調でつまらん」とかのたまった評論家がいたそうですが、はっきり言ってそいつの耳は節穴。キックとスネアの入れ方いかんと、4分と8分を使い分けるだけのシンプルな右手ワークで、キャッチーなグルーヴを生み出しているのは凄いぜ。そういうものにわたしはなりたい、と思ったもんでした。この曲も楽しく叩かせていただきましたねえ。今回やった中では一番マイナーな曲だったでしょうけど、フロアからは拍手を頂戴してご満悦。(自分が。)
同じくパンクでも、「ダークな感じ」なのが「Breed」。またドラム話になりますが、Dave Grohlのドラミングも好きなのよね。一打一打、一音一音きっちり響かせる豪快ながら丁寧な叩き方がね。ギター・リフ、ベース・リフときっちりユニゾンになるように頑張りました。シャウト多用のラインをAもよく歌ってる。

さあ、そして次の山場「Celebration」です。チューニングを変える必要があるようで、少々間を取ってから、くだんのライヴ・ヴァージョンよろしくギターが始まりのフレーズを弾き始める。ベースとドラムが乗っかって、開始。ここでもAが頑張るなあ、ToshiとHideを一人でやるなんて離れ業を。“♪New Yorkから俺の部屋まで 黒いカーテンで覆いつくせ”っていうところのベースラインも好き。ソロも聴き所、AとTのツインギターもばっちり決まったね。“♪青い血のワインを 世界中にLet it fall”ていう歌詞も印象的で素敵なんですけど、ちょうどその直後にドラムオンリーのフィル・インから再度のツインギター・メロディーのパートになだれ込むので、いやでもテンションが上がる。最後のライヴでこのくらいインテンスな演奏が出来てよかった。やはり思い出深いテイクです。
後はお馴染みのナンバー。「Smells Like Teen Spirit」はずいぶんやってきましたが、Aのヴォーカルは初。「Breed」もそうでしたが、こういうのもしっかり歌ってましたね。私なんかだと喉が持たない。
ラストは、「すっごい昔からやっていた曲なんで、かなり知ってる人も多いと思うんですけど、最後はこの曲で終わります」というAのアナウンスから始まる「Tell Me」。従来のヴァージョンと違うアレンジで、最初にキーボードの上昇シーケンスが入る。「これで最後だなあ」と思うと、泣きそうになった……気もするんですが。きっちり叩かないといけない曲なんで、感傷に浸ったのはむしろ終わった後だったかもしれない。hideファンのAがこの曲を歌って披露したのは最初で最後だったわけですが、さすがに堂に入った歌唱。歌に対する解釈の深さが違う。AとTのパート分担ギターも冴えてる。ギターソロは2年間の集大成で鉄壁の出来じゃった。“♪まだ君の歌はきこえない……”からのベースとドラムのビート感もいいじゃないの。キーボードもギターも全パート一丸となってのフィナーレで幕。ありがとうございました。
こうして、文化祭有志AバンドNAPESは活動を完了したのでありました。