みんな歌は好きでそれなりに歌えそうではあったけど、楽器を弾きながらできるのか?……そして練習が始まった!――みたいなドラマティックな話じゃなくて、割と淡々と「しょうがないよねー、やろっか」と練習してった気がします。小説ほど奇ではない事実もある。そうして出来上がった「6月ライヴ」のセットリストが次のものです。
4.楽園[The Yellow Monkey/1996]
5.Change Yourself![布袋寅泰/1997]
6.Poison[布袋寅泰/1995]
7.Merry-Go Round[布袋寅泰/1991]

冒頭が、当時の新曲でありNAPESにとっても新規楽曲であった「Rocket Dive」。ヴォーカルはA。やっぱり元の曲が良いんですね、一番古くからやってる「Tell Me」に負けず劣らずのいい雰囲気を作ってくれるナンバーでした。アタマに持ってきたのは確か、ギターのチューニングの関係(ドロップDだっけ?)で中盤に持ってきづらいから、だったと思うんですが、結果的には大正解。バンドのオープニングとして定着しました。hideらしい「凝ったポップなロック」。6月ライヴの音源を聴くと、ギター兼リードVoのAの入魂の歌唱、それとAメロ・Bメロ・コーラスと続くところのセカンド・ヴォーカル(KeyのNが担当)が素晴らしい。例えば“♪何年待ってみても 何も降って来やしないんだろう?”っていうあたりなんかじつに見事。器楽でいうと、フランジャー(かな?)を使ったフレーズから入るギターソロの後半は聴いててテンションが上がるね。
2曲目・3曲目はお馴染みGreen Dayなんですが、これを歌ったのが何を隠そう筆者O。叩きながら歌うのは相当チャレンジングでしたよ。叩くパターンは身についているんですが、ヴォーカル・マイクの置き方使い方がなってなくて、うっかりすると腕が引っかかっちゃうんですよ。マイクスタンドに遠慮するとヒットが弱まるし……当時は内心「ヘッドセットマイクだったら楽なのかな……」などとも思っておりました。まあ、2曲しか歌わないのにそんなものを用意するのも変ですし、結局縁は有りませんでしたが。あと、よく歌詞を覚えきれたなという気もします。ただまあ、この時に修行させてもらったおかげで、コーラスをつけながら叩くっていう芸当はなんとかできるようになっていたので、その後いろんなバンドや楽曲をやる中では助かりました。
音源を聴き直してみるってえと、まあそれなりに頑張ってます――発音・歌詞・音程・ドラム演奏のキープは及第点?――けど、やっぱり声量が足りないね。演奏に専念したギターが2本あるので、バックが分厚いのに対し、ちょっと負け気味かな。「Burnout」の方は「鬼門」のドラム・ソロがありましたが、なんとかクリア。見せ場のほとんどをドラマー&Voとして頂戴できたものの、余裕はなかったなあ。優しいフロアに拍手していただけてホッとした。
4曲目は最初期からの「楽園」、ヴォーカルは再びA。二本のギターが効果的に使われている曲だから、Aも弾きながら歌う必要あり。大変だったんじゃないかなと思いますが、なかなか朗々とした歌いっぷり。さすがに長年やっているだけあって、例によってちょっと走り気味のドラムはともかく、器楽部門は安定感あります。
<続く>