(17)VARIOUS『METAL EARTH』(2002)
メタル系のコンピレーションもしばしば手にしたものですわ。この作品は、正直安かったから買ったんだけど、スペインのレコード会社が編んだ、自社所属の面々のトラックを詰めた一作。Dark Moor、Vhäldemar、Morning Caress、Red Wine、Seraphim、Axenstar、Freternia、Arwenの楽曲を一、二曲ずつ収める。冒頭の2グループはメジャー級……と思ってたら間もなく日本盤も出ましたね。Dark Moorについては前に述べましたが、ここではより成長した姿で。Vhäldemarはタフな野太いヴォーカルも印象的ですが、凄かったのはリードギターのPedro J. Monge。イングヴェイ風の速弾きをすごい精度でぶち込んで来るの。「Feelings」をどうぞ。
上のふたつはスペイン出身ですが歌詞は英語。Arwenもそうだね。一方スペイン語歌唱だったのはRed Wineで、その後も結構作品を出したみたい。ドイツのデスメタルMourning Caress、台湾のSeraphim(六翼天使)なども、有望ニューフェイスだったといえるでしょう。(後者はNightwishみたいなタイプ、といわれてた様子。私その方面疎いんでその表現が当たっているのかよくわかりませんが。男声デスヴォイス+クリーン女声ってこと?)Axenstar・Freterniaはスウェーデンのパワーメタル。
(18)VARIOUS『THE KEEPERS OF JERICHO』(2000)
タイトルでお気付き?Helloweenのトリビュートもの。前回紹介のAriseレコードから出てるのですが、参加メンバーの豪華さはちょっとしたもの。バンドとやった曲を列挙すると、Rhapsody「Guardians」、Sonata Arctica「I Want Out」、Heaven’sGate「A Little Time」、Metalium「Ride The Sky」、LucaTurilli「I’m Alive」、Morifade「Judas」、Vision Divine「Eagle Fly Free」、Brainstorm「Savage」、Labyrinth「Future World」、Cydonia「Save Us」、Squealer「Victim Of Fate」、DarkMoor「Halloween」、Secret Sphere「How Many Tears」。
もちろん、元が神懸った出来だったわけで、カヴァーが成功しているのもそうでないのもあるわけですがね。やはり一番出来が良いのはRhapsodyかな。原曲もシンフォニックな要素はあったんだろうけど、彼らがここまで大仰なアレンジを加えたことでそれが際立った。Fabioの歌はうまいしね。このヴァージョンと原曲と両方聴きたくなる、ってことはこのカヴァーは大成功ですわ。同じ路線がLuca Turilliの「I’m Alive」で、こちらはOlaf Hayerが歌う。お、ベースとかギターでSaschaPaethが協力してるね。他にRhapsody組が出てくるのはVision Divine「Eagle Fly Free」、Fabio Lioneが歌うやつね。少し軽めかな……
この中での出世度では一二を争うSonataArcticaですが、この「I Want Out」はテンポをあげているせいかもしれませんが、やや淡白に聴こえました。Heaven’s Gateのは、一番の歌いだしのところがオクターブ下でびっくりした。気怠くはじめて、途中でギアを変える作戦だったのね。さすがヴェテラン。続いてわれらがJack FrostのいるMatalium「Ride The Sky」がゴリゴリと。
<この記事続く>