DON'T PASS MUSIC BY

"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

第17回「Peter Frampton」(3)

【後編】

 で、「P」で始まるアーティストPeter Framptonについてようやく申し上げる段になりました。

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 ピーターさんは1950422日、英国ケント州の生まれ。ジャズ・ギタリストのジャンゴ・ラインハルトの作品に出会ってギターに関心を持ったのが7-8歳のときのことですって。1966年にはThe Herdというポップ・ロック・グループに加わり、レコードデビュー。当時はアイドル的な売られ方をしていたそうです、「金髪の美少年」とかなんとか。しかし彼は、やはりアイドル的人気のあったSteve Marriott(当時The Small Faces)と出会って意気投合、新バンドHunble Pieの結成に動きます。

 

 Humble Pieは、ベースのGreg Ridleyも歌が歌えるし、ドラムのJerry Shirleyは名手だしで凄いバンドなんですが、ここで触れるのは最小限にしましょうね。少なくとも当初は、「本格的音楽をやろうぜ」という“元アイドル”Steve &Peterの双頭バンドでした。ただ当初は音楽的方向性が定まらなかった――ロック的なものとブルーズ的なものとフォーク的なものが未整理だった――うえ、レコード会社が倒産するとか悲運で、“スーパーバンド”らしい成功は収められずにいたのでした。(売れなかっただけで、曲は良いものも多数ありますが。ブギーの「Natural Born Woman」(「Natural Born Bugie」というタイトルになってることもある)、マリオット作の「The Sad Bag of Shaky Jake」、フランプトン作の「Take Me Back」とかね。)

 

 ようやくPERFORMANCE: ROCKIN’ THE FILLMORE1971)がヒットしたか、というところでピーターはバンドを脱退。後任にはDave”Clem”Clempsonが入りHumble Pieは存続、ピーターはソロ活動に入ります。Humble Pieは、Steveのイニシアティブが高まり、「ソウルフルなロック」路線を追求、アルバムSMOKIN’は成功を収めます。(Clem Clempsonという人は、英国アートロックの名バンドColosseumなどにもいた名手ですが、楽曲を多く書く人ではなかったので、Humble Pieはスティーヴのバンド、になっていきました。)

 

 Peter Framptonは、WIND OF CHANGE1972)、FRAMPTON’S CAMEL73)などの作品を発表していきますが、初めはさほどのヒットとはなりませんでした。状況が一挙に変わったのは、1976年のFRAMPTON COMES ALIVE!』というライヴ盤が出てから。このアルバムは2枚組だったにもかかわらず無茶苦茶売れまして、英国のチャートで6位、米国ではなんと1位の座を占めたのでありました。
 
<作品紹介>
Peter FramptonFRAMPTON COMES ALIVE!』1976
1. Something's Happening
2. Doobie Wah
3. Show Me the Way
4. It's a Plain Shame
5. All I Want to Be (Is By Your Side)
6. Wind of Change
7. Baby, I Love Your Way
8. I Wanna Go to the Sun
9. Penny for Your Thoughts
10. (I'll Give You) Money
11. Shine On
12. Jumping Jack Flash
13. Lines on My Face
14. Do You Feel Like We Do
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メンバー
Peter FramptonVo,Gt
Bob MayoGt,Kbd,Cho
Stanley SheldonBa,Cho
John SiomosDr
 
 メンバーからいきましょうか。ドラムのJohnさんは、以前Rick DerringerAMERICAN FEVERを紹介した際に触れました。フランプトン・バンドには1972年から参画している古株。ベースのStanley Sheldonは、75年にフランプトン・バンド入りしましたが、ほぼ同じころTommy Bolin(脱退したR.Blackmoreの後任としてDeep Purpleに入ったことでも知られる)のソロアルバムTEASER1975)にも参加しています。残るマルチ・プレイヤーのBobさんもフランプトン・バンド入りは75年、後にForeignerJoe Walshの作品にも参加しているようです。まあ、職人気質っぽい面々が集まってますね。(続く)
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