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中国メタル名曲紹介(2)唐朝楽隊

 さて、中国メタル特集第二弾は唐朝楽隊Tang Dynasty)です。

 【検索にそのまま使える簡体字表記は文末に】

 

 中国で最初の国産HMアルバムとされるのが唐朝(Tang Dynasty)『唐朝』なのですが、これは現在でも中国のメタルファンから高く評価されている様です。(北京、というか中国唯一のHM専門店の店主も「一枚だけということなら、人にはこれを薦める」と仰っておりました。)

 

 たしかにメタルの質感、プログレの風味、民族音楽の要素がうまいこと融合されている、と思います。丁武のヴォーカルには京劇の歌唱の影響もあるようで、個性的です。またリード・ギターは劉義軍という人なのですが、現在に至るまでトップギタリストとして後続の尊敬を集める名手です。

 なお唐朝は94年には来日も果たしています(私はそのころバンドのことも知りませんでしたからもちろん観ていませんが)。

 

1.唐朝「夢回唐朝(A Dream Return to Tang Dynasty)」(1stアルバム『唐朝』1992)7:04

2.唐朝「太陽(The Sun)」(1stアルバム『唐朝』1992)5:53

3.唐朝「九拍(Nine Fourth)」(1stアルバム『唐朝』1992)6:36

4.唐朝「国際歌(Internationale)」(1stアルバム『唐朝』1992)4:26

<メンバー>

丁武(Vo)

劉義軍〔老五〕(Gt)

張炬(Ba)

趙年(Dr)

 

 1「夢回唐朝」は記念すべきデビューアルバムの冒頭を飾る名曲。シンフォニックに幕を開け、丁武のヴォーカルが重なり……間奏のギターソロは当時としては群を抜いてテクニカル且つ劇的。終盤、6分あたりからのメロディアス&テクニカルな展開は何度聞いてもグッと来る。ぜひお試しあれ。

 

 2「太陽」も彼らの代表曲といって差し支えないでしょう。MVもあるんですが、中国の現代史を学んでいるといろいろ感じさせられる作りになってるんでぜひどうぞ。この曲には個人的に思い入れがあって、北京のメタル専門店を訪問して店主と話してるとき、「中国のメタルが聴きたいのだ」と言ったら先方がこれを流してくれたんですよね。「あ、知ってる」と思って「これって『太陽』ですよね!」って思わず口にしたら「お前、なんでそんな詳しいの?」ってな流れになって……おかげで仲良くなりました。有難う唐朝。楽曲に戻ると、劉義軍得意の高音域で良く伸びるトーンのギターが堪能できるほか、ハードにもソフトにも歌える丁武のヴォーカルがやっぱり素晴らしい。“♪太阳,我在这里……”

 

 1も2もなかなか劇的な名曲なんですが、メタル的即効性はあまりない。「メタルを出せよ」って言ってくる輩がいたら、3「九拍」で黙らせよう。丁武のハイトーン(欧米のメタル歌手を手本にしてるだけじゃなくて、京劇とかの芝居がかった発声をも取り入れているようだ)が冴え渡るし、間奏(3分30秒辺り)のギターソロの美しいことといったら。だがまだ終わりではない。4分40秒過ぎからのギターワークを聴け!劉義軍=老五(ラオ・ウー)が最高のギタリストだと称されたわけがわかるであろう。(なんで私が偉そうなのか。)

 

 あとは4「国際歌」かな。労働歌「インターナショナル」をロックアレンジしたもの。「神聖な歌をロックにするなど怪しからん」的なことを当局から言われたらしく、92年当時は台湾盤にのみ収録されたという曰くつきの一曲ですが、現在では代表曲として大陸でも認知されている様です。クワイアも交えた歌唱が主役ですが、短くも印象的なギターソロも有ります。ええ、私はこれ、好きです。“♪英特纳雄耐尔就一定要实现……”

  

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 バンドはこの後もメンバーチェンジ――オリジナル・ベーシスト張炬氏の悲劇的な事故死や、老五の脱退など――を経つつ続いていきますが、後年の作品についてはまた機会があったらお話ししましょう。2ndの演義(1999)は日本でも入手できた(たしかタワーレコードで買ったんだよね)ので、さんざん聴きましたなあ。

<続く>

簡体字表記】

唐朝乐队

ALBUM《唐朝》

SONG《梦回唐朝》《太阳》《九拍》《国际歌》