第三弾は、ちょっと新しいんですが春秋楽隊(Spring And Autumn)といきましょう。【検索にそのまま使える簡体字表記は文末に】
1.春秋「新的一天(A New Day)」(1stアルバム『春秋』2006)5:57
2.春秋「伝奇(Legend)」(1stアルバム『春秋』2006)5:34
3.春秋「山海間(Between the Mountains and the Sea)」(1stアルバム『春秋』2006)3:42
<メンバー>
楊猛(Vo)
郭怡廣〔Kaiser Kuo〕(Gt)
寇征宇(Gt)
李波(Ba)
刁磊(Dr)
春秋(Spring and Autumn)は、唐朝の創設メンバーだった(1stアルバム制作以前に脱退、のち2ndアルバムに参加)Kaiser Kuoというギタリストが結成した新しいバンドです。『唐朝』のような“中国っぽい”音を継承している――ややメタルっぽさが後退し、プログレ色が出ているのはKUOの志向の反映らしいですが――数少ないバンドということで入れました。サム・ダン監督のドキュメンタリー映画『グローバル・メタル』には、2「伝奇」がBGMに使われていましたし、監督によるKUOのインタビューも収められていました。
1「新的一天」はちょっと凝った展開の、ヘヴィ・メタル。楊猛さんの歌もなかなか気合が入ってるし、実質的な支柱Kaiserの趣味全開のギター(プログ・メタル寄り?)もよろしい。2「伝奇」の牧歌的な雰囲気との対比も楽しみたいところ。アコースティックな3「山海関」と併せれば、このアルバムの振れ幅をつかめるのではないでしょうか。
私などは、近年中国で増えてきたエクストリーム系「ではない」、古典的ハードロック・メタルの作品に当たったと喜んでいたのですが……北京のマニアの耳は厳しかったですね。この話、以前(時代の産物を追う?(6))でもしましたが、「唐朝の二番煎じではないか」と感じられるようでして……。メンバー(カイザー)が重なるからやむを得ないとは思いますが、確かに一理ある。むずかしいものです。
とはいえ、「これから」中国メタルを聴いてみよう、正統派のメタルを聴こうという方には(私は)お薦め出来ます。上のリンク先の記事で紹介した『THE LAST PAGE』(ライヴ盤)よりは、こちらのファースト・アルバムの方が良いかな。
<続く>
【簡体字表記】
春秋乐队
ALBUM《春秋》
SONG《新的一天》《传奇》《山海间》