DON'T PASS MUSIC BY

"Louis XIV, finesse and force......."<Chroming Rose>

温故知新旧稿再録(1)「ハード・ロックからヘヴィ・メタルへ――英米HR簡史」(前篇)

 すみません。最初に謝っておきます。


 このところまとまったものを書くことが出来ませんで、「どうしよう?」と思ってファイル整理してましたら、むかし書いた文章が出てきたんです。一番古い奴は十五年前のものなんで、さすがにどうかと思わなくもなかったのですが、「ここではまだ同じテーマで書いたわけではない」「若い頃(?)の作なのでいまとは違った不遜なテイストが面白い(かも……)」ということで自己弁護。当面、土曜日コーナーは「発掘モノ」で勘弁して下さい。

 初回は、2004年4月23日の稿。なんで日付がわかってるかといいますと、これは某イベント用に用意したレジュメ(?)だったからでございます。むかし通っていた学校(音楽学校とかじゃありません)の音楽好きの友だちと意気投合しまして、「好きな音楽を持ち寄って、かけまくりながら飲み会やらない?」ってな話になったのだ。

 専ら彼の人脈で人も集めてもらい、「好きなCDを通しでかける人」「楽器を披露する人」など、いろいろなプレゼン(!)がなされたのですが、私は当ブログと同じといいますか、「勝手に決めたテーマに沿ってうだうだ語る」ってのをやりまして、その時に印刷物も用意してたんですよね。折角残ってたから、載せちゃいましょう。あの会合に参加してたかたがご覧になったら「お前かい!」とわかってしまうでしょうけども。

あ、お題は「ハード・ロックからヘヴィ・メタルへ――英米HR簡史」でして、自分でコンパイルした音源集(以下に曲順を示します)を掛けながらしゃべりました。(ちなみに、「飲み会」なのに、わたしがあーだこーだ言っている間は飲みにくかったと思います。当時の皆さん、すいませんでした。)
 
 なお、プレゼンテーション(持ち時間)が30分程度だったので、本当に「簡史」になっております。今回は前半を掲載します。

提示曲目
1.Led Zeppelin  <Good Times Bad Times(1969)> 
2.Spooky Tooth<Better by You, Better Than Me(1969)>
3.Black Sabbath<Paranoid(1971)>
4.Uriah Heep   <Easy Livin'(1972)>
5.Blue Öyster Cult<The Red and the Black(1973)>
6.Montrose <Bad Motor Scooter(1973)>
7.Riot <Warrior(1977)>
8.Van Halen <You Really Got Me(1978)>
9.Iron Maiden <Iron Maiden(1980)>
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1.Led Zeppelin  <Good Times Bad Times(1969)> 2:47
 HRという概念を最初にもたらしたのはCreamであるといわれる。その大音量のライヴ、テクニックへの志向などは後のロックバンドに多大な影響を与えた。Jimi HendrixなどもCreamに対する敬愛の念を隠さなかったが、ロックバンドとしてHRの概念を完成させたのはLed Zeppelinであった。Jimmy Page率いるNew Yardbirdsを母体とするバンドは、Creamの精神性を引き継ぐダイナミックなライヴを展開する一方、スタジオ作品ではアート性を追求し、新たな「HR」を築いては自ら破壊していくという唯一無二の存在となった。
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 ここでとりあげるのは、その記念すべきデビューアルバムLED ZEPPELIN1曲目に収められていた曲である。


2.Spooky Tooth <Better by You, Better than Me(1969)> 3:36
 ところで、ヘヴィ・メタルという言葉はどこから出てきたものなのか。これには諸説あり、SteppenwolfBorn To Be Wildの歌詞からだという説や、後述するBlue Öyster Cultが売り出すとき戦略的にこの語を用いたのだとする説などがある。それらと並んで有力視されるのが、このSpooky Toothの音楽を英国のあるプレスが「Heavy Rock」と称したというものである。実際の音から判断するに、Spooky Toothの音は、他の2バンドに比べ圧倒的に「重い」。ヘヴィ・メタルの語源かどうかをおいても、同時代的には相当特異であったろうことがうかがわれる。
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 傑作とされる彼らのセカンド、SPOOKY TWO』からの選曲である。尚この曲、後にJudas Priestがカヴァーして発表しているのだが、その際には「この曲のせいで人が自殺した」という言い掛かりがつけられた・・・といういわくつきの曲である。


3.Black Sabbath <Paranoid(1971)> 2:50
 HR黎明期の70年代初頭には多くの個性的なバンドが出現したが、その中でも際立った個性を示していたのがBlack Sabbathである。彼らは、主に単音のリフを核とした「重い」音像に加え、(初期において)悪魔主義を掲げ(デビューしたのは1970年のある13日の金曜日)、精神面でも「重さ」をアピールした。その方法論と精神性は数多くのフォロワー(現代のいわゆるDoom Metalなど)を生んでいる。
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 ここにとりあげたのは、彼らのセカンドアルバムPARANOIDタイトル曲である。もともとは別のアルバム名が予定されていたのだが、この曲が先行シングルでかなり売れてしまったため、急遽アルバムのタイトルを変更して発売した、という話が残っている。近年、日本で(誰かのカヴァーで)車の宣伝CMのバックに使われていたが、自動車の宣伝に「Paranoid」というのはまずいような・・・

4.Uriah Heep   <Easy Livin'(1972)> 2:37
 HRというジャンルにおいては、国ごとに評価が全く異なるバンドというのも数多く存在する。アメリカで大人気のバンドがイギリスではさっぱりだったり、日本人が大好きなバンドが欧米では見捨てられていたりするのである。Uriah Heepというのは面白いバンドで、70年代当時、欧米では多くのHRの一つに過ぎなかったのだが、日本ではなぜかLed Zeppelin,Black Sabbath, Deep Purpleと並んで「ハードロック四天王」に数えられていたという。重厚なコーラスワーク、ヘヴィな歪みが個性的なハモンドオルガン、中心人物Ken Hensleyによる親しみ易いメロディライン、などの要素が受け入れられたのだろうか。現在も活動を続ける長寿バンドであるが、音にHRとしての「殺気」が感じられるのは70年代末までであろう。
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 そこでここでは、彼らの4枚目のアルバムDEMONS AND WIZARDSから、コンパクトにその音の特徴を伝える佳曲をお届けする。 
 
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 ……どうですかコレ。「いまならこうは言わないなあ」ってところもありますが、改竄はしないことにします。やくしょじゃないのでね。<続く>