DON'T PASS MUSIC BY

"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

時代の産物を追う?〔続〕(22)

<2019年作品>

(1)Bernie Shaw & Dale Collins『TOO MUCH INFORMATION』(UK)

youtu.be

 現Uriah HeepのヴォーカリストBernie Shawと、Dale Collinsとの双頭ユニット。専門店で見かけるまで、こんなことをやってるとは知りませんでした。

 

  1. So Many Times
  2. Alone
  3. Here we go
  4. Too Much Information
  5. Sad Song
  6. Hey Jimi
  7. Just A Little Bit
  8. Rock On

<メンバー>

 Bernie Shaw(Vo)

 Dale Collins(Gt, Ba, Key)

 Don Restall(Dr)

 Jason Gardenits(Piano)

 他


         

 バーニー・ショウは現行Uriah Heepを支える名シンガー。初代のDavid Byronや二代目のJohn Lawtonなんかとはタイプが違って、「明るい声質」の人なので、ユーライア・ヒープではどうかと思わなくもなかったのですが……近年のオリジナル作品(『WAKE THE SLEEPER』は名作だった)を聴くに彼の個性は今のバンドには完璧にフィットしてますよね。ライヴでの安定感も素晴らしいし。

 

 他には、NHOBHM期のバンドGrand Prix『GRAND PRIX』(1980)や、Iron MaidenPraying Mantisの元メンバーで構成されたStratus『THROWING SHAPES』1984)で若き日のバーニーさんの声が聴けます。この人、少なくとも声は歳をとらないなあ。あ、Grand PrixのキーボーディストだったPhil Lanzon氏はいまやUriah HeepでMick Box(唯一のオリジナル・メンバーたるギタリスト)の片腕です。

 

 で、このアルバムは、本人の名前が入るものとしては(すなわちソロ的な作品としては)初になるんじゃないですか。双頭バンドのもう一方、Dale Collinsさんについては、すみませんがよく存じません。曲のほとんどを書き、ギター・ベース・キーボードをプレイしてるとのことですので、実質的な主宰はかれなんでしょうね。

 

 作品は、バーニーの歌声を活かした、(いい意味で)オーソドックスなロック。ハードロック、といえるものもありますが(「So Many Times」など)、全体としては歌を聴かせることに重点があり、アコースティックやバラードも少なくありません。ミドル・シャッフルの「Here We Go」あたりは、Uriah Heepではあまり聴かないタイプでおもしろいし、ピアノ中心のバラード「Sad Song」はしんみりさせます。「Hey Jimi」や「Just A Little Bit」もじっくり聴かせるようなテンポの曲ですね(後者のギターソロはシンプルだが味があるのよ)。

 

 メタル的な刺激はない作品ですが、Bernie Shawの歌のよさ(うまさ、だけじゃなくて)がじっくり味わえるという点ではわるくない。ユーライア・ヒープとあわせて楽しめば、いいんじゃないでしょうか。

<続く>