DON'T PASS MUSIC BY

"But holy men and kings would die in the year Twenty Twenty-five......"<Satan>

時代の産物を追う?(19)

Chris Speddingのお仕事、続き。

Bob Downes Open MusicELECTRIC CITY1971
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 70年代初頭は、英国ジャズ・ロックが大豊作。Bob DownesOpen Musicというグループも美味しい。Ian Carrもトランペット等で参加してます。ギターはChris SpeddingRay Russell。冒頭の「No Time Like The Presentからして元気一杯。歪んだギターもメイン・リフを刻み続ける。「Keep Off The Grass」はフルートがリードする曲ですが、中間の疾走するパート(フルート吹きまくり)のバックはギターのカッティングが実に爽快。このアルバム、紛れもなくジャズ・ロックの範疇のものですが、一曲一曲が割とコンパクトで聴きやすい。歌と器楽のバランスも良いし、全編を貫く「爽」な雰囲気がこのジャンルのものとしては稀有…… とまあ、全然知らない人の作品をジャケ買いして大当たりした(私にとっては)珍しいケース。
 
Linda HoylePIECES OF ME1971
 Affinityの名シンガーのソロ・アルバム。Nina Simoneの「Backlash Blues」のソウルフルなカヴァーで渋く始まる作品ですが、バックバンドは完全にNucleusだったりする。ジェンキンス+スペディング+マーシャル+ジェフ・クライン(Jeff Clyne)。「Paper Tulips」はしっとりとしたピアノ・バラード……に見せかけて一筋縄では終わらないゴージャスなアレンジへ。アルバムを通じギターはわりと「縁の下」ですかね。
 
PanhandlePANHANDLE1972
 名セッションマンが集った、謎のプロジェクト。仕掛け人はBlack Sabbathとの仕事が著名なRodger Bainですが、ハードロックではありません。「ブリティッシュ・スワンプ・ロック」なんだそうです。私はThree Dog Nightのヴァージョンを思い出す「Mama Told Me Not To Come」とか、気怠いアレンジの「I Want To Take You Higher」(Sly & The Family Stone)、John Lee Hookerの「Dimples」があるかと思うと、Creedence Clearwater Revivalの「Up Around The Bend」(Hanoi Rocksもレパートリーにしましたね)だのと……何でも出来る人たちが集まったら、何をやるのか焦点が絞れなくなったんじゃないか、という気もしますが。こういうのには必ず居ますよね、スペディング先生は。
 
SharksFIRST WATER1973
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 元FreeAndy FraserBa)とクリスが組んだバンド。「World Park Junkies」を聴いてわかるように、「アンディのトレードマークたるはじけるベース+職人クリスのカッティング+SnipsSteve Parsons)の塩辛ヴォイス」と個性は充分……なのですが、アルバム全体はやや地味かな。ピアノで始まる「Ol’ Jelly Roll」なんかいい雰囲気だし(ちなみに、ピアノはアンディが弾いてる)、「Driving Sideways」の力強い感じも好ましいのですけどね。アンディはこの後抜けちゃいまして、バンドはクリス&スニップス体制へ。
 
SharksJAB IT IN YORE EYE1974
 前作と同じく、ピアノなどアコースティック楽器を絡めた路線。「Just Like A Fever」では後任ベーシストのBusta Jonesのラインに導かれるファンキーなロックが聴け、バラード「Baby Shine A Light」があるかと思えば、気怠いノリに妙な東洋風音階を絡めた「Kung Fu」とかいう曲もあり。「Snipsが歌う」ことに焦点を合わせてあるという点では前作より聴きやすいのかも。
 
The WomblesREMEMBER YOU’RE A WOMBLE1974
 上のような渋いブルーズ・ロックをやってたと同時期に、クリス先生は着ぐるみを着てこんなのもやっていたという。子供向けTVシリーズとして英国でヒットしたという「ウォンブルズ」は、鼻のとがった毛むくじゃらの架空の生き物が主人公のお話……ということですが、Mike Buttが音楽をプロデュースしてテーマ曲のようなものを送り出しす際に登用された職人がやっぱりスペディング先生。「そんなん、子供だましのノヴェルティ・ソングでしょ」と侮ることなかれ、ポップロックとして出来がいいものばかりだから恐れ入る。「Remember You’re Womble」をはじめ、歌詞こそ可愛らしいモンですが、アレンジと演奏は超一流。
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……おお、Youtubeすげえ、2011年のライヴが観られるわ。さすがにクリスは着ぐるみ着て出ないよなあ、と思って調べると、「人間の姿」でゲスト出演してた。客席が映るんだが、おじいちゃんおばあちゃんからキッズまで英国聴衆がノリノリで楽しそう。
 <つづく>