クリス・スペディング先生の新作前振り(お仕事紹介シリーズ)の最終回!
⑯Elliott Murphy『LIVE HOT POINT』(1989)
シンガーソングライターElliott Murphyのライヴ・アルバム(アコースティックが主)。クリスは途中からゲスト参加、「Rock Ballad」っていう曲でエレクトリック・ギターを弾くところから。クリスが歌う「Silver Bullet」「Hey Miss Betty」だけちょっとロックンロール色が濃いんですが、エリオットの弾き語り+バッキングがこのアルバムでは基本でしょうな。後半は盛り上がって段々派手になりまして、「Route 66」でフィナーレですけどね。
⑰Robert Gordon & Chris Spedding『IT'S NOW OR NEVER』(2007)
ロカビリー・スタイルのシンガーRobert Gordonとクリスは1970年代末からの付き合いで、何枚ものアルバムを一緒に作っていました。その彼らが90年代以来久々に(ライヴを除いて)制作したアルバム。Elvis Presley没後30年の節目ということで「エルヴィスのカヴァー集」になっております。
「A Mess Of Blues」からしてしっかりエルヴィスに寄せてある。(この曲は、Status Quoが「Mess Of Blues」のタイトルでヒットさせたこともありましたね。)他にも「I Beg Of You」とか「I’m Left, You’re Right, She’s Gone」とか、「Don’t Be Cruel」とか……やってる本人らが一番楽しそうだ。クリス先生の、Scotty Mooreあたりへのなりきりっ振りも生半可でない。何せ、「Guitar Jamboree」の先生ですからな。なお、私が一番好きなのは「Too Much」。むかしロック音楽のドキュメンタリーかなんかで、「上半身しか映されない」エルヴィスがこれを歌っててめちゃくちゃカッコ良いのを観ちゃったから。ロバート&クリスも好演してるけど、オリジナルには敵わない、かな。
⑱King Mob『FORCE 9』(2011)
Chris先生+Steve Parsons(Vo)+Glen Matlock(Ba)+Martin Chambers(Dr)+Sixteen(Gt)の五人組。クリスとスティーヴはいいとして、元Sex Pistols/Rich Kidsのグレン・マトロック、Pretendersのマーティン・チェンバースが合流とはちょっと面白い、と思って手を出したのでした。(まあ、考えてみれば、Sex PistolsはそのむかしChris Speddingの助力でデモ・テープを作成したこともありましたから、まるで接点がないわけではなかったのですがね。)Sixteenは新人だと思いますが、クリスの新作『JOYLAND』にもゲスト参加してる。ジョン・リー風ブギー「Lover Of High Renown」、古風なロックソング「Va Vah Voom」、ドカドカ進む「American Slave」など、なかなか楽しめる。続作は作られていないようですが、バンドは終わっちゃったんですかね。
あと、私は未聴ですが布袋寅泰『GUITARHYTHM Ⅲ』(1992)にもクリス先生は参加してたそうですよ。
<つづく=次はいよいよ先生の新作!>