(6)Mogul Thrash『MOGUL THRASH』(1970、UK)
元ColosseumのJames Litherlandのバンド……ですが、私は若きJohn Wettonがプレイしていた(初レコーディング?)ということに興味を持ち接近。プログレのディスクガイドにはよく載ってるんですが、売ってるところがない。で、あるときHeavenの棚を覗いたらコレがあったというわけ。
私が持っているのはもちろんCDなわけですが、オリジナルと曲順が違ったりするちょっと怪しい盤。
1曲目「Sleeping In The Kitchen」は管楽器が大活躍。ブラス・アレンジメントはAvarage White BandのRoger Ballが担当。「Dreams Of Glass And Sand」はBill Harrisonのドラムソロから開始。随分音質がいいなあ、と思って制作陣をみると、プロデュースはBrian Augerで、エンジニアがEddy Offordですって。なあんて流し聴きしてると、トランペット・ソロになったけど……バックのベースの動き回り方がもの凄え。やっぱりWettonさんが本気でベース弾くと見事だね。
3曲目が12分近い「Going North, Going West」、このバンド、決してヴォーカルが弱いわけではないんだけど、どうしても器楽隊のプレイに耳が行くね。Jamesのバッキング(カッティングを交えた)の上でWettonベースと管楽器リードが暴れまわる。この曲、展開が多くて長いのではなく、ジャズ・ロックの味わい濃く各パートのソロ回しを行うのでロングになっているのね。終盤にJames Litherlandのギターソロが待っています。(そのバックでもウェットンさん弾きまくり。)
Ballさん作曲の「Something Sad」も躍動的なナンバー。James作の「Elegy」はかつてColosseumでも演っていましたが、三倍近い長さにアレンジされております。
7曲目「St.Peter」にはピアノでBrian Augerがゲスト参加。あれ、歌ってるのはウェットンさんかな?そうだそうだ、作曲も「Gorrie-Wetton」となってるし。
私の持ってるこの1999年再発盤だと、この後に4曲、本編の曲のヴァージョン違いが収められております。ただ、詳しい説明はなくて“Edited Version”とあるだけなので背景は不明。
まあそれはともかくとして、こういう作品がメジャーなものとして出ていたとは、すごい時代だったんですね。John Wettonもここからアバウトに数えて「5年でKing Crimson、10年でUriah Heep、15年でAsia(間にU.K.などあり)」だからと考えるとたいしたものですね。