(5)Galactica Phantom『GONE WITH THE HURRICANE』(2002、JP)
凄腕ギタリスト、というのもずいぶん数えられるようになりましたが、このバンドの音を聴いたときは「オッ」と思ったものでした。井之上剛さんの速弾きはイングヴェイの初期を思わせてくれたんですよね。というか、実はそれは楽曲と込みの話だったのかな。楽曲はカラッとした米的(?)テイストが主で、その中にヨーロピアン風味のネオクラシカル速弾きが収まるという感じで。
Rayさんの強力な歌唱はDio風といえると思いますが、2曲目「Hurricane Rock」はどうしても「We Rock」を想起してしまいますし(Dioは「アメリカンメタル」ですよね)、3曲目の「Thousand And One Night」もコーラスやギターソロのあたりの展開も「爽」の雰囲気。「イングヴェイにおけるSteeler時代」のようなのが私の好みに合致したというわけで。4曲目「Love Bites」のビッグな疾走感、三連調の「Pray For The Death」の弾む感じ、ラストのバラード「Deeper Loving You」の情感深さも◎。
バンドがこの後出したアルバム『FROM THE NEW GALAXY』(2007)も買って聞きました。元気な2曲目「Rock’n Roll Wizard」なんかは、前作以上のやり過ぎっぷりが最高。6曲目の「I Need Your Love」なんかも好きですね。それにしてもRayさんの歌が強力だ。(ちなみに、歌詞は割合に繰り返しを重視してるみたいですが。)なんて思っているうちに、RayさんはBlindman(中村達也氏の率いる)にも加入されてたんですね。
GtとKeyがメインにフィーチュアされた様式美メタル。IruykayamaさんのギターとMiyamotoさんのキーボードがソロでバトルしたりするのが楽しい。歌っているのはAzraelのAkiller(石原晶さん)。冒頭の「Never Surrender」は比較的ストレートなファストチューン。2曲目「Ancient Warriors」はやや唐突なコード進行も含め面白い曲で、私はかなり好き。
昔はこのアルバム何度もリピートして聴いたものでしたな。遠出する時なんぞ、“ウォークマン”にこれ一枚突っ込んで外出したり――つまり出先でこればっかり聴いてたことに!?――ね。余程様式美が好きだったんだね。(ひとごとみたいだが。)むろん、いま聴いてもいいと思いますよ。昔はわりと流し聴きしてた中盤の曲「Night Of Desire」とか「Victim In My Mind」とか、イイねえ。この一作で終わってしまったようなのが残念でした。