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Solarisis「Life Is Better Unborn」(『HOLLAND IS MADE OF TOFU』1999)
※0分00秒から3分01秒あたりまでが1曲目「Life Is Better Unborn」でーす
(変な)メタルを紹介しましょう。まずなんなの、このアルバム名?
「オランダはトウフでできています」?これだとどういう音楽か想像できないでしょうから、ジャケットを見ていただきましょう。どうでしょう?
……よりわからなくなるわ。
本作はデス・メタルです。いやマジで。厳密には(少なくとも本作の時点では)バンドではなく、Gijs van Ouwerkerkなる人物の一人作品。二十歳そこそこのオランダの青年が一人籠って打ち込みとGt/Ba/Voでこんなのを作っていたのかと思うと……。いや、打ち込みはチープだし、ジャケもあれですけど、内容が下らないかというとそうでもないから困る。デス・ヴォイスはまあまあだし、曲調もワンパターンじゃないし。
一番面白いのは、打ち込みのシンバルの音色なんだがね。ふつうのハイハットやライド、クラッシュのほかに、ライドのカップ打ちと、チャイナシンバル(スプラッシュの一種か?)をやたらぶっこんでくるところ。疾走感ある曲だったりしても、そこでなんかずっこけそうになるのがおもしろすぎるのだ。あと、いかにも宅録で入れましたみたいな鍵盤の音がDIY感を助長する。
あたまの「Life Is Better Unborn」からずっとそんな調子なんだが、8曲目の「Race Me To Eden」も紹介しとこうか。2分14秒とコンパクトで、一気に駆け抜けるナイスメタルなんだが、上述の特徴を備えてしまっているがために、クールというよりおもしろくなってしまっているのさ。私もドラマーの端くれだが、こんなオトを組み込んだらバンド仲間におこられそうだなア。
※20分59秒(リンク先のところから)が「Race Me To Eden」
マジメなデス好きには怒られそうだし、デス・メタルに興味ない人にはそもそも勧めようもないし。どういう人がこんなの聴いて喜ぶんでしょうね?………………あ、俺か。