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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳219

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Deep Purple「Fireball」(『FIREBALL』1971)

youtu.be

 さて、イントロのドラミングがスゴイということで言えば、こういう先達がありました。はい、どうぞ。

 

 これも、尺で言えば10秒程度なのね。個人的にはもっと長い気がしていた。Ian Paice先生の軽やかで――カルいわけではない――安定したドラミングはやっぱり憧れの的。80年代以前にツーバスを効果的に使ったドラマーは数えるくらいしかいないんじゃないかな(ジャズ系を除く)。ライド・シンバルの使い方もイイ。スネアのロールもいい。要するに、全部イイ。

 あとこの曲というと、故Jon Lordが晩年に『DEEPEST PURPLE』デラックス版の付属DVD楽曲解説――この映像は必見!――のなかで「Fireballのオルガンソロはねえ……めちゃムズイんだよねえ(bloody difficult to play)」ってぼやいてたのが可笑しかった。貴方ほどの方がそうだとは……。そんなこともあってリッチー時代(MKⅡ)にはあんまりライヴでやらなかったのかなと思っていたのですが、72年のデンマークでのライヴ(私はVHSを持っておる)で披露してますね。

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 白黒映像のビデオだけどみどころいっぱい。名曲「Highway Star」の粗っぽいヴァージョンで幕を開け、テンションの高い演奏が続くのですが、終盤に「Fireball」が登場。最高に興味深いのが、この曲まではイアン・ペイスはワン・バスでプレイしてるのですが、この曲の前段でローディがもう一つバスドラを運び込んで、「Fireball」用にツー・バスにするところ。感触を確かめながら高速フットワークを絡めた長尺ジャムを繰り広げ、火の球に突入する紫色の面々。70年代前半の彼らが凄いっての、私はこの映像で学んだかもしれぬ。