エクストリームな方面に入ってきましたな。第六弾は、独断と偏見により窒息楽隊(Suffocated)です!
【検索にそのまま使える簡体字表記は文末に】
窒息Suffocated は1996年結成で、2006年に1stアルバム『逆風飛揚』を発表しました。私がハマった『紛擾世界(World of Confusion)』は2010年の作品ですが、この頃でも80年代的なスラッシュ/デスをやっています。没個性的なニューメタルや力量の伴わないブラックメタルが増えつつある現代中国シーンにあって、稀有な存在といえましょう。(その後もしっかり作品を出しているようなのですが、入手できていない為語れない……)
1.窒息「崩潰」(1stアルバム『逆風飛揚』2006)2:36
2.窒息「煉獄」(1stアルバム『逆風飛揚』2006)4:34
3.窒息「当夢再次纏繞(When Dreams Entwine)」(2ndアルバム『紛擾世界(World of Confusion)』2010)4:53
4.窒息「硬骨頭(Hard Bone)」(2ndアルバム『紛擾世界(World of Confusion)』2010)5:39
<メンバー>
劉錚(Vo, Ba)
寇征宇(Gt)
呉鵬(Gt)
呉剛(Dr)
ファーストの一曲目を飾る1「崩潰」からオールドスクールなスラッシュのノリで微笑んじゃう。キレのよいリフワーク、中間部分のバスドラ踏みまくり、太いデスラッシュ・ヴォイス……文句なし。琴っぽいアコギ(?)がポロロンと鳴るところからスタートの「煉獄」(5)は、本編は行進曲調(違うか……)のミドル・ヘヴィ。中間でギアを上げて攻め立て、終盤また重く迫るなんていう構成も憎い。
ファーストもなかなかのクオリティでしたが、私はセカンドが好きですな。リアルタイムで入手して聴いてたからかもしれんけど。前奏曲に続いて流れる「当夢再次纏繞」(3)の圧力あるドラミング、キメ方を心得たギターリフ、貫禄を増したヴォーカル……私はこういうのが大好きなのだ。3分18秒あたりからのギターリフとライド・シンバルの応酬(?)なんか、どうですか。たるんだところなく押し切る5分弱。一方、「知識青年従軍歌」(1944)の引用大合唱から始まる「硬骨漢」は、アルバムの(事実上の)クロージング・ナンバー。硬派なリフで押しつつ、テンポの緩急でも聴かせる巧みな一曲で、終盤に存在をアピールするギターソロ(フレージング)が美味しい。
彼らは最近に至ってもメンバーチェンジなく活動しているみたいで、そこも稀有ですね。また新しい作品が手に入れられれば聴きたいものだ。
<続く>
【簡体字表記】
窒息乐队
ALBUM《逆风飞扬》
SONG《崩溃》《炼狱》
ALBUM《纷扰世界》
SONG《当梦再次缠绕》《硬骨头》