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Pantera「Cowboys From Hell」（『COWBOYS FROM HELL』1990）
（本稿は2023年3月下旬に書いております）。
アボット兄弟が亡くなって、パンテラは永遠の眠りについたものと思われていた2022年冬、“Pantera復活”との報が流れてきて驚きました。Phil Anselmo（Vo）＋Rex Brown（Ba）にZakk Wylde（Gt）とCharlie Benante（Dr）を加えてツアーをするというのです。その後あれよあれよという間に日本にもLOUD PARK 2023でやってきましたね。
私はフツーのメタル・ファンなので、パンテラをそう熱心に追っていたわけでもありませんが、バンドの創始者であったアボット兄弟（Vinnie Paul＋Dimebag Darrell）がいないのに“Pantera”を名乗るのはどうなんだろう、とふと思ったりもしましたが、ただ、こう書いているうちに、「オリジナル・メンバーが一人もいなくても存続しているバンド」というのは結構あるかもなあ、とも思うようになりました。The VenturesでもSoft MachineでもCanned Heatでも。そうだ、Riotも然り。バンドが生き残るかは、畢竟音楽次第ということでしょう。それでよい（それがよい）のだと思います。
さてそんなパンテラの話題から、好きな一曲を振り返ろうとすると、やはりこれになります。といっても理由は単純、昔買ったベスト盤の1曲目が「Cowboys From Hell」で、聴く回数が多かったから。またこの作品のころのフィルの歌唱は後とちょっと違って、メタリカというかジェイムズ・ヘットフィールド風で（私には）聴きやすかったというのもあります。
あとはやはりアボット兄弟のリズム・アプローチが凄い。濫造される凡百の安物グルーヴ・メタル（？）とは比べ物にならないリズムのキレの良さ。（2010年のリイシュー3枚組『COWBOYS FROM HELL』には、この曲のデモ版が入ってるのですが、そこですでに彼らのスタイルは確立されています。ギターソロがちょっと異なるようですが。）
ちなみに、私が初めてパンテラを聴いたのは、『HITS：HARD ROCK 2』という日本編集のコンピに入っていた「I’m Broken」でした。最初は重すぎてピンとこなかったなあ。いまではけっこう好きな曲ですが。
