二周目の「H」まで進みました。「I」に難航しているので、またしても特集で場繋ぎ。このあたりで後ろ向きに「むかしを懐かしむ」趣向とまいりましょう。
小生折に触れて「ダウンロードよりお皿、通販より実店舗」を好む旨表明しておるわけですが、CDを扱うお店がどんどん少なくなっているのは誠に残念なことで。
かつて新宿(西新宿)にDisk HeavenとDisk Hellというヘヴィメタル・ハードロックの専門店がありまして、しばしば足を運んだものでございました。Hellの方はデス系に特化した部門、Heavenはその他のメタル全般とハードロック・プログレを取り扱い。大手レコード店では手に入らないような品があること、輸入盤メインなのでお店作成のポップ?オビ?が唯一の情報源となること(お願いすれば試聴できたのかもしれませんが……)など、メタル中級者にとっては実に「鍛えられる」環境でしたな。正確には覚えていませんが“超ガンマ・レイ・タイプ!!”・“ドリーム・シアターばりのテクニカル系”といった風なアオリがついているのを参考にするのですが、これは正直「アタリ」と「ハズレ」(自分にとって)があった。まあ、音を文字から想像するんじゃしょうがないですね。
今回は、そこで出会った作品群を御紹介。(ここで役に立ってくれれば「ハズレ」も許せるし。)いくつかの部門に分けてまいりましょう。Black Sabbathの名曲「Heaven And Hell」をBGMにしてご覧下さい。
(そうそう、サブラベルズの高橋喜一さんが「〔ハードロック・バンドを始めたころ〕インスパイアされたのが、ベースの宮尾ちゃんから聴かされた、ロニー・ジェイムズ・ディオが入ったブラック・サバス」とラジオ番組で語っておられましたよ。Black Sabbath『HEAVEN AND HELL』は1980年4月発売でした。)
<未知との遭遇編>
「とりあえず てきとうに」(ワギャンランド風のボス風。)……アルファベット順で並べてみますか。あらー、最初がこれですか。
(1)Archontes『THE WORLD WHERE SHADOWS COME TO LIFE』(1999、Russia)
Disk Heaven新宿店では、作品をジャンル別・地域別に配架していましたので、「ロシア・東欧」のものをまとめて探すこともできました。ロシアといえば、ソ連時代から活動していた(いる)英雄Ariaが有名ですが、当時の私はあたらしいものを求めていた。それで、例のお手製ポップの文言(内容は忘れました)に乗せられてこちらを買った。
器楽の目立つ様式美メタルという点はよかったのですが、歌がちょっと弱いかな。リーダーの(キーボーディストでもある)Andrey Archontが歌っています。先述のAriaなどはロシア語歌唱ですが、こちらは英語。タイトル曲「The World Where Shadows Come To Life」の疾走感と詰め込み具合、やはり速度ある「Runaway From Dark」のバタバタした感じ、一方の「Mother Russia」などのミッドテンポ・バラードの雰囲気など、なかなか良い。私は好き。演奏技量がギリギリというところを除けば、楽曲の方向性も散漫ではないし、「この人らは伸びる」と勝手に思っていたのですが、なかなか続きは出ませんでした。
2004年の『BOOK ONE: THE CHILD OF TWO WORLDS』、2011年の『Колыбельная』(何と読むのかわからない)もチェックしましたが、プロダクションは大幅に向上したものの歌は相変わらずで安心(?)。後者の方はミニアルバムなんですが、3曲目に「The World Where Shadows Come To Life 2011」というセルフリメイクが入ってます。クオリティは上がってますが、私はオリジナルのスリリングな(危なっかしい)方が好みだなあ。勝手なもんだ。
<続く>