第七弾は、施教日楽隊!
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施教日楽隊(Ritual Day)は2000年結成、中国初の「ブラックメタルバンド」と言われております。(「音が」という意味だと思います。出で立ちは別にソレ風ではありませんでしたので……)
Vo&Gの農永はサム・ダン監督のドキュメンタリー映画『グローバル・メタル』に出ていました。当時三十代半ばだった農永氏はインタビューに答えて、「人生で不如意なことに出くわしたり、暗い感情を持つことがありますよね?そういうものを音楽で表現できると思ったんです」(大意)というようなことを話しておられましたな。
アルバムは一枚しか持っていないのですが、紹介しておきましょう。
1.施教日「施教日(Ritual Day)」(1stアルバム『天湖Sky Lake』2003)4:55
2.施教日「散失的霊魂木偶(Puppets of Lost Souls)」(1stアルバム『天湖Sky Lake』2003)4:13
3.施教日「光環閃現(Gleam of Halo)」(1stアルバム『天湖Sky Lake』2003)5:12
<メンバー>
農永(Vo, Gt)
張鑫(Gt)
裴磊(Ba)
李洋(Dr)
1「施教日」を聴くと……なるほど、これはブラック・メタルの音像ですな。ひしゃげたヴォーカル、トレモロるリフ、ブラスト・ビート……それでも、単調にならないのは構成の妙とやはりほんまもんの演奏力があるからでしょうね。インディ制作のはずだが、音もけっこういい……
あ、プロデューサーが陳曦さんじゃないすか?〔前々回の当ブログをちゃんと読んでくれた人は気づいたハズ〕冥界楽隊のメンバー。エクストリーム・メタルのことをワカッテル人が作ったんなら納得よ。
重々しく幕を開ける「散失的霊魂木偶」(2)……と思いきや、歌とともに激烈な疾走りに突入。敢えてのハズしたコードが不気味さをいや増すスロウパートを挟んで、またも突っ込んで……冥界も窒息もそうだけど、わたしゃあやっぱりこういう凝ったのが好きだねえ。農永のヴォーカルも血が通ってる感じで好い。
アルバム最後の「光環閃現」(3)も、作法としては上述のいわゆる“ブラックメタル流”(リフの作り方とか)なんだけど、ビートは敢えて大きいノリを意識してるようなところがあって、一本調子じゃ無いね。いや、李洋さんってかなり名手じゃないかねえ?フェイドアウトしていくところまでなかなかに美しい。
ほかの作品もきいてみたいですなあ。
<続く>
【簡体字表記】
施教日乐队
ALBUM《天湖》
SONG《施教日》《散失的灵魂木偶》《光环闪现》