わかりやすくメタルな奴らはなかったかなと。第十三弾は、幻世狂想楽隊(Illusion)。
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一時期中国でもやたらと流行った、メロディック・パワーメタル。このバンドはブームがくるより少し早くからやっていたようですが。この手のグループのサガとして、ドラムが打ち込みなのは個人的には遺憾。ですが、ヴォーカルはまあしっかりしているし、ギターや鍵盤も美味しいツボは心得てる(キーボードはほんと、悪くない)。
1.幻世狂想「乱世無双」(1stアルバム『乱世無双』2006)
2.幻世狂想「翔」(1stアルバム『乱世無双』2006)
3.幻世狂想「幻世狂想」(1stアルバム『乱世無双』2006)
<メンバー>
侯珺碩(Ba, Key, Programming)
顧頴(Gt)
梁志鵬(Gt)
李天驥・柳雲龍・劉嘉・曾黎(Vo)
まあ、「イタリアの○○っぽい、スペインの××っぽい」と思われてしまうのは仕方ないですが、「乱世無双」(1)はお約束をしっかり守った(盛り込んだ)メロパワ・シンフォパワー。初期のDragonforceにDark Moorをちょっと足して……とかそういう野暮な詮索はするなよ。。。いろいろ詰め込み過ぎて長くなってはいますが、同系の標準はクリアしているなかなかの演奏。
2「翔」は、アメリカのアニメ映画にでも使われそうな、ファンタジー風味の大仰なインスト(?)。歌がないので、個性も少なめですが、こういうのもあるということで。
3「幻世狂想」は、シンフォニックなプログ・メタルといった趣。男声・女声のツインヴォーカル。やはり、中盤の鍵盤パートはなかなかグッと来る。メタル的カタルシスよりも、構成力で勝負した心意気には好感が持てます。
その後の音沙汰がないので、どうもプロジェクト的なものだったみたいですねえ。クレジットからわかるように、大部分を仕切った(作曲も)侯珺碩に負うところが大きかったようす。氏の鍵盤センス、結構好きなんだけどなあ。
<続く>
【簡体字表記】
幻世狂想乐队
ALBUM《乱世无双》
SONG《乱世无双》《翔》《幻世狂想》