DON'T PASS MUSIC BY

"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳086

086

Joan Baez「Diamonds & Rust[Live]」(『THE ESSENTIAL JOAN BAEZ FROM THE HEART』1993)

youtu.be

 元は『FROM EVERY STAGE』(1976)という、1975年のコンサートの音源だそうです。今調べて知ったのですが、ドラムにJim Gordon、ギターにLarry Carltonなど錚々たるメンツがバックについてたみたい。

f:id:yes_outsiders:20201207113307p:plain


 で、この曲を選んだのはもちろんJudas Priestのお陰。私のようなロックやろうがフォーク・ミュージックに詳しいわけはないのでして、ジューダス・プリーストの、それもライヴ盤(『PRIEST IN THE EAST』1979)に入ってるのを聴いて初めて知ったのだ。このヘヴィソング、彼らの自作曲じゃないの?ジョーン・バエズ?名前しか知らんが……ってなモン。無知は罪です。

 

 Judas Priestは歴代彼ら流のロックアレンジで演じ続けていたのですが、一時期原作に近いやり方をしていました。(いまもそうなのかな?)Rob Halford復帰作となった『ANGEL OF RETRIBUTION』の時期で、私の買った同作のボーナスDVDのライヴ映像にはそっちヴァージョンが入ってました。

 

 だいぶあとになってから、ご本家の、それもライヴを聴いたわけですが、こちらもやはり素晴らしい。「Diamonds & Rust」は1975年のアルバム『DIAMONDS & RUST』のタイトルトラックですから、このライヴ当時は新曲だったことになりますが、聴衆の反応もよい。“♪We both know what memories can bring, they bring diamonds and rust……”

どんぱす今日の御膳085

085

Jim Morrison & The Doors「Ghost Song」(『GREATEST HITS』1995)

youtu.be

 ドアーズは「Light My Fire」くらいしか知らなかったので、ベストくらいは聴いておこうと思いさいしょに手を出したのがこれ。

f:id:yes_outsiders:20201127122252p:plain

 The Kinksの「All Day and All of the Night」風のリフの「Hello, I Love You」、へんてこリフが最高の「Love Me Two Times」、突撃感がスゴイ「Break On Through」、ヘヴィ・ブギーの至宝「Roadhouse Blues」……と「ドアーズ、イイ!」ってなる曲はいっぱいあったんですけど、実はここだけの話一番感銘を受けたのはこの「Ghost Song」。

 

 Jim Morrison没後、残された詩の朗読に後のメンバーが楽曲を付けたっていうじゃないですか。ふつうそういうやりかたではなかなか整合的なものは出来まいと思うんですが、これはグルーヴ感から詩の乗り方まで完璧なんですよ。ミニマルな反復ドラムをベースにしながら、ジャジーなテイストの鍵盤とギター・ベースが絡む、呪術的楽曲。私はこれでモリソン以外のメンバーの実力を再認識しました。

 

 楽曲後半で金物(タンバリン?鈴?)が入ってくるところは、Flower Travellin’ Band「Satori Part.2」みたい。なんか錫杖の音のようなイメージで聴こえるんですよね。これも雰囲気ある。

ロックンロール青果店(19)

(19)Billy Thorpe & The Aztecs「Mashed Potato」

youtu.be


 “♪Mashed potato, yeah, yeah, yeah, yeah~”とひたすら繰り返す、だけの曲。なんちゅう単純な……と思いましたが、1964年のシングルだったんだそうで。英国のビート・バンドの風味ですかね。フロアで踊れりゃOK、みたいな。

 

 このビリー・ソープ&ジ・アズテクス(どこかどう「アズテクス(アステカ族?)」なのかわからん……けど)は、「Poison Ivy」のヒットが有名だそうですな。オーストラリアのロックにおける先駆的存在、ってとこでしょうか。

 

 実際私が「マッシュド・ポテト」を聴いたのも、『THE GOOD TIMES/25Years Of Australian Hits』(1988)というオーストラリア・ロックの歴史を概括したコンピのなかででした。オーストラリアのロックなんていうと、AC/DCRose Tattoo、せいぜいBodyjarだのLittle River Bandだのを断片的にしか知らん時期に行き当たったので勉強にはなりましたね。(The Easybeatsが別格で良かったなあ。)

 

 Billy Thorpe & The Aztecsの曲も他に「Over The Rainbow」(有名なアレね!)や「Sick & Tired」(こちらもブリティッシュ・ビートの流儀で御座る)が入っていたりして、『THE GOOD TIMES』(2枚組)はなかなか美味しい。

f:id:yes_outsiders:20201121003915p:plain




 オーストラリアン・ロックのコンピだと(ついでに言いますけど)他にTHE GLORY DAYS OF AUSSIE PUB ROCK』なんていう4枚組もありまして、そっちはさらにおもしろかったり。Cold ChiselJimmy Barnesが在籍⇒第42回「Jimmy Barnes」(1))、Men At WorkAngry AndersonRose Tattooのヴォーカリスト)、Party Boys(元Status QuoのベーシストAlan Lancasterが在籍)、Heaven(一時期Mitch Perryがギターで参加)ほか多数……何から何まで聴けるのよ。「パブ・ロック」と銘打ってるが、明らかに範囲を広くとらえて「オーストラリアのロック大集合」。

 

 おっと、目玉はSkyhooks「Women In Uniform」ですぜ!私はコレ1曲が入ってるから買ったんだからね。(⇒第10回「Iron Maiden」(1)

 

 お、こっちにはBilly Thorpe & The Aztecsのハードロッキン・ソング「Movie Queen」も入ってる。なかなか味わい甲斐のある編集盤です。
<続く>

どんぱす今日の御膳084

084

Jean-Michel Jarre「Oxygene Pt.2」(『ESSENTIAL RECOLLECTION』2015)

youtu.be

 フランスの電子音楽ジャン・ミシェル・ジャール氏の楽曲。通常ならば私の守備範囲外なんですがこれだけは違う。1976年のアルバム『OXYGENE』は、「Oxygene」という曲がパート1からパート6まで収録されているのですが、その「パート2」(二曲目)が問題の曲。電子音の洪水と独特の浮遊感、イイ……けど、「アレ、おかしいな、これ聴いたことあるぞ?」

 

 映画だ。ジャッキー・チェン蛇拳で掛かってたが……クレジットはなかったような?――どうやらこれ、無断使用だったようですな。おおらかな時代というかいい加減というか。

 まあ、それが原因で貴方の存在を知り、ベスト盤一枚(『ESSENTIAL RECOLLECTION』)とは言えCDを新品で買いましたから、わたくしに免じて許してやって下さいジャールさん(?)。

                   f:id:yes_outsiders:20201127121928p:plain

どんぱす今日の御膳083

083

James Murphy「Odyssey」(『FEEDING THE MACHINE』1998)

youtu.be

 ヘヴィメタル界(特にデス系)の渡り鳥、なんて言われることもあるようですが、そんだけ腕利きだということでしょうかね。私もなんだかんだで彼がプレイした作品を割と持っている。DeathObituaryTestamentArtension(ゲスト)、John West(ゲスト)、Explorer’s Club……。

 

 誰かの後釜、っていうケースが多くても、本人は涼しい顔で(かどうか実は知りませんが)プレイをこなせるというのは実に恐れ入る。でも、この人自身はどういうのをやりたいの?ってのは謎でした。

 

そうか、ソロ・アルバム出してたのか、それ聴きゃいいじゃん。ファーストソロ『CONVERGENCE』(1996)にTony Williamsの「Red Alert」が入ってるあたりからも、ジャズ・フュージョンも好みとみた。今回の『FEEDING THE MACHINE』にも、Al Di Meola「Race with Devil on Spanish Highway」のカヴァーが入ってるしね。Riotも嘗てやってたやつだよ。(Riot特集:時系列全作品紹介(7)『THE PRIVILEGE OF POWER』

             f:id:yes_outsiders:20201127121608p:plain


 そしてこの「Odyssey」! Dixie Dregsのカヴァーとは、お主やるではないか。ベースにStuart Hamm、ドラムにJeremy Colson、キーボードにMatt Guilloryという万全の布陣で、ディキシー・ドレッグス屈指のプログレ・チューンに手を出す周到さ。スティーヴ・モーズのトーンに比べると、ジェイムズのギター音はグシャっとしてますが、5分くらいからの抉り込む感じには合ってる。

 

 全体に音圧のツヨいアルバムなので、通して聴くと疲れるけど。