DON'T PASS MUSIC BY

"Secrets are fun to a certain degree, but......"<Jake Holmes>

時代の産物を追う?(4)

 ミニ感想集。

(1)King Crimson『LIVE IN TORONTO』(UK)
 70年代の楽曲を多数演奏している、当時の最新二枚組ライヴ盤。一部の例外(「Red」など)を除いて過去作をあまり繰り返してこなかったRobert Fripp先生、トリプルドラム(Pat Mastelotto・Gavin Harrison・Bill Rieflin)を擁するニュー・ラインナップでこんなのを出してきました。古い方から「21st Century Schizoid Man」「Epitaph」「The Court Of The Crimson King」(『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING』より)、「Pictures Of A City」(『IN THE WAKE OF POSEIDONより)、「Sailor's Tale」「The Letters」(『ISLANDS』より)、「Larks' Tongue In Aspic:Pt.1」「Easy Money」(『LARKS' TONGUE IN ASPIC』より)、「Red」「Starless」(『RED』より)……
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 で、こういう往年の名曲ももちろん良いのですが、合間に登場する90年代以降の“新しい曲”も美味しい。個人的には“新しい曲”はあまりちゃんと聴いていなかったんですが、これで聴く「Vrooom」とかイイじゃないですか。あと、やっぱりプレイヤーとしてはMel Collins(Sax, Flute)の大活躍が嬉しいな。

(2)Francis Dunnery『VAMPIRES』(UK)
 元It Bitesのフランシス・ダナリーが、ソロのバンドでIt Bitesの楽曲をセルフカヴァーした作品。

 実はこれに先立つ2009年にもFrancisは『THERE'S A WHOLE NEW WORLD OUT THERE』という二枚組でIt Bitesの楽曲を多く(ただしその時はアコースティック・メインで)カヴァーしていました。いずれ両者の比較鑑賞などもしてみましょうね。
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 『VAMPIRES』はロック色を取り戻した作風です。まず特徴は、ブックレットにも書いてあったかと思いますが、とても「耳に優しい」ウォームな音作り。お子様にも聴かせられるよ!(と、Francisが言っている。)

 アタマの「Calling All The Heroes」はIt Bitesの大ヒット曲ですが、コレを現在の気心知れたバンドメンバーと楽しく仕上げる。往年(80年代末)と変わらぬ歌声とギターの名人芸。

 そうしたポップな楽曲の一方で所謂プログレ大作もさらりと演じたのがIt Bitesでしたが、ここでも2大長尺曲「The Old Man And The Angel」・「Once Around The World」を演ってくれます。前者は、『THERE'S A WHOLE NEW WORLD OUT THERE』では変拍子を敢えてやめて牧歌的仕上がりを期していましたが、本作では原作に忠実。

 かと思うと、ハードロック色の強い――Francisのコンパクトながら超絶なギターソロが聴ける――「Rose Marie」「Vampires」なんかも聴けて、こりゃあ大満足。

(3)Birth Control『HERE AND NOW』(Germany
 本ブログで特集したこともある(第3回)名バンドの“最新作”。にして、オリジナル・メンバーBernd Noske(Dr, Vo)の遺作。中間にAndy Zingsemのラップを挟む「Rat In My Flat」はほんのり新機軸かな。あ、でもこのジャジーなバッキングは彼らの十八番だね。「Me And My Car」のような8ビート・ロックソング、お得意のシャッフリング「Right Place, Wrong Time」。つまりはいつものBC印、高品質。
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(4)金属恵比須阿修羅のごとく(Japan)
 正直に申しましょう。後藤マスヒロさんのドラムが聴きたいという理由だけで手を出しました。
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 このご時世にメロトロン使いまくりの楽曲を繰り出してくるプログレマニアぶりには参った。人間椅子Gerard新世界以来ご無沙汰だったマスヒロさんのドラミングが「プログレ」のフォーマット内で聴けて余は満足。詳細はまた。

(5)クエーサー(Japan)
 最古参にして最高峰の沖縄発ハードロックバンド。近作ではJJさんが歌っていると知り、慌てて蒐集を開始した次第。当ブログ第9回で取り上げたHeavy Metal ArmyEastern Orbitの超絶シンガー。お元気そうで嬉しいな。リーダーのジョージ紫さんのオルガンも最高。

 そしてジョージさんと共に音作りの核を荷うベーシストChrisさん(2007年加入)のセンスもあってか、全体に音が若々しい。ストレートなハードロック「Heaven's Gate」、Rainbowっぽい(?)「Red Line」、JJ得意のバラード「Ryukyu, My Home」、Deep Purple/Rainbow風のシャッフル「Koza Rock City」……
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 私の入手したデラックス・エディションには「Kaleidoscope Of Love」「Double Dealing Woman」のライヴ・ヴァージョンがボーナストラックで入り、さらにボーナスDVDもあり。DVDの方では、メンバー自身による楽曲解説やジョージ紫さんの機材解説なんかもあって楽しめるんですが、最高だったのはデビューにメンバーだった4人による回顧談。沖縄のロックシーンがどんなものだったか、垣間見えた気がしました。
<続く>