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"Louis XIV, finesse and force......."<Chroming Rose>

温故知新旧稿再録(7)「プログレッシヴ・ロック特集」(2)

 プログレbig name編の後半です。いかにも客観的を装って「コレがプログレの標準」みたいに述べてますが、“テクニカル”好きな趣味が丸出し。ご笑覧あれ。


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PROGRESSIVE ROCK Vol.1 big name

7.Cat Food*1970(King CrimsonIN THE WAKE OF POSEIDON)
 
8. Larks’ Tongues in Aspic Part(live)*1973(King CrimsonUSA)
 
9. Starless*1974(King CrimsonRED)
 
10. See Emily Play*1967(Pink FloydECHOES)
 
11. Echoes(ed.)*1971(Pink FloydECHOES)

King Crimsonもメンバーチェンジが多く、1969年のデビューから1974年の解散(但し80年代に再結成している)まで7枚のスタジオ作品を残しているが、同一ラインナップは一つも無い。但しYesと異なり、こちらは早いうちからRobert Frippがバンドの核としてバンドを牽引していた。

彼のヴィジョンがKing Crimsonである、ともいわれるが、その全体的把握は難しい。民主的に作られたと思われる一作目を除くと、後はFrippの気まぐれによるとも思える変化が続く(但し音楽的クオリティは非常に高い)

King Crimsonの面白いところは、明らかにFrippがリーダーなのに、演奏や楽曲作りにおいては新規メンバーのカラーを目立たせようとしていることである。二作目ではKeith Tippett、四作目ではMel Collins、五作目ではJamie MuirBill Bruford、七作目ではJohn Wetton、などの持ち味(彼らのその後の活動を鑑みるとよくわかる)を全面に出しているように感じられる。少なくとも、Fripp以外はただのサイドマン、ということはない。

では逆にKing Crimsonらしさというのは無いのかというと、そうでもない。King Crimsonの楽曲()においては、常に静と動、或いは穏やかな構築と凶暴な破壊の「コントラスト」 [1]が意識されている。それは一曲の中に出てくることもあるし、アルバムの中で完結することもある。デビューアルバムの「21世紀の精神異常者」と「エピタフ」のコントラスト、それはどの時期のKing Crimsonにも受け継がれているように思える。両者のもたらす独特の緊張感こそがKing Crimsonなのかも知れない。
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 7.は二作目『ポセイドンのめざめ』(原題はIn the Wake of Poseidonなので、この邦題は訳としてはおかしい)に収録された曲で、シングルカットもされた。前衛ジャズピアニストKeith Tippettのピアノが全編駆け回る。ヴォーカルはGreg Lake8.はスタジオ版は『太陽と戦慄(Larks’ Tongues in Aspic)』収録だが、ここではよりアグレッシヴなライヴ版を収めた。ラインナップはRobert Fripp(g)Bill Bruford(d)John Wetton(b,v)David Cross(violin [2])

 9.1974年のアルバムREDの最後を飾る大作。静と動のコントラストが一曲の中に凝縮されたナンバーで、これをもってKing Crimsonはその歴史に(ひとまず)幕を下ろしたのである。Robert Fripp(g)Bill Bruford(d)John Wetton(b,v)に加え、かつてのメンバーがサックスやメロトロンでゲスト参加している。


 Pink Floydも長い歴史を持つが、音楽的リーダーによっていくつかに分けられる。Syd Barrettが率いたデビュー当初、Syd脱退後の民主的時代、壮大なコンセプトを打ち出したRoger Waters時代、よりミュージシャン気質に重点を置いたDavid Gilmour時代、である。
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 彼らの場合、他の三組のように演奏技術を云々されることは少ない。それよりも、音と視覚の融合であるとか、コンセプトを設けての「総合的表現」とかいったことが評価されている。音と視覚の融合というようなことでいうと、60年代のサイケデリックが思い浮かぶが、サイケと直接の関係を結ぶのも四組中ではPink Floydのみである。サイケ・ポップから出発した初期Pink Floydは、天才的なメロディメイカー・作詞家のSyd Barrettの才能に負う部分が大きかったといわれる。しかしSydが麻薬濫用などの理由で精神を病み、ドロップアウトDavid Gilmourを加えて再生を図る。『原子心母』『狂気』などの作品を発表し、精力的にツアーも行なったPink Floydは、プログレという範疇を超えて、多くのファンを獲得することに成功した。


 10.Syd Barrett作詞作曲、初期のシングルである。サイケ&ポップが彼らの出発点であることを示すコンパクトな楽曲。メンバーはSyd(v,g)Roger Waters(b)Rick Wright(key)Nick Mason(d)11.Sydに代わってDavid Gilmour(g)が加入してからの四作目『おせっかい』収録の大曲。原曲は23分だがここでは短縮した16分ヴァージョンになっている。


 [1] 中期King Crimsonの強烈な影響を受けた日本人ギタリスト須磨氏は、King Crimsonの特質を「美」と「狂乱」の二面性にあると見抜き、自ら結成したバンドに「美狂乱」という名を付けた、といわれる。
 [2] この曲には、Eddie Jobsonによるヴァイオリンのオーヴァーダビングが施されている。

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 2006年3-5月の作ですので干支一回り以上前の代物。出鱈目は書いてないようですが、やはり偉そうな書き口ですねえ。

 あと、ピンク・フロイドの出典『ECHOES』は当時出てた2枚組ベストの名前です。

 まだこのシリーズは続きまーす。