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Giles, Giles & Fripp「Suite No.1」(『THE CHEERFUL INSANITY OF GILES, GILES & FRIPP』1968)
ご存知King Crimsonの前身。発掘音源も少しずつ追加されてますが、当時の正規リリース品の不朽の価値は失われぬ。ジャケットの「スマイリング・フリップ」(激レア!)も含めてな!(ジャケット右下の眼鏡ジェントルマンがRobert Fripp)
真面目な話、ちょっと不思議ではあるのですよ。このアルバムの牧歌的なフォークロックが、多少メンバーの追加があったとはいえあの『クリムゾン・キングの宮殿』に結びつくということが……。
そんななかで、後のKing Crimsonを(80年代以降まで含めて)予見させる数少ない要素のひとつ、それがフリップ先生のメカニカル・ギターワークなんですな。
「Suite No.1」(特にイントロからの第1のセクション及び楽曲終盤)は、ネオクラシカル・ギターといって差し支えなかろうと。いや、単にクラシカル・ギターでよいのか。ブルーズのイディオムを極力排し――スケールにしても、チョーキングを用いないところにしても――たギタープレイは当時としてはかなり珍しいのではないかと思います。この作法だけ(?)は、「21st Century Schizoid Man」から「Fracture」を経て「Frame by Frame」まで一気通貫。好き嫌いは別にしてロバート・フリップの絶対的個性だと思うのですが如何。