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Portnoy, Sheehan, MacAlpine & Sherinian「The Farandole」(『LIVE IN TOKYO Disc2』)
マイク・ポートノイ(Dr)+ビリー・シーン(Ba)+トニー・マカパイン(Gt)+デレク・シェリニアン(Key)というメンツをみればお分かりの通り、バカテク軍団のライヴ盤であります。彼らがやりたい放題弾き倒し叩きまくる作品なのですが、「ファランドール」をやってるところに美学を感じました。
ビリー・シーンのファンの方でしたら、彼がTalas時代にこれをやっていたことをご存知でしょうね。ビゼーの名曲(「アルルの女」より)をロック・バンドでカヴァー。ベースが異常な冴えを見せる十八番でしたね。
さらにさかのぼると、英国ロックの巨匠Dave Edmundsが率いたLove Sculptureというバンドが、セカンド・アルバム『FORMS & FEELINGS』(1969)ですでにロック・バンド「ファランドール」をやっていました。こちらもなかなか見事。Love Sculptureは同様にクラシック楽曲を元ネタにした「Sabre Dance」(ハチャトゥリアンの「剣の舞」)の高速カヴァーでも名を上げました。例えばELPなら鍵盤でやるところを強引にギターでやったあたりに意気込みを感じます。
さて戻って。本作の4人衆は……曲の始まりこそ、ギターやドラムにちょっと乱れがありますが、ビリーの超絶ベースに整えられてだんだん異様なテンションに。デレクのキーボードがあまり聴こえないのは、タラスやラヴ・スカルプチャーのヴァージョンを踏まえているせい?若干のミスも含めて一発勝負のヤヴァイ演奏をお楽しみ下さい。