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Mark-Almond(The Mark/Almond Band)「New York State Of Mind」(『THE LAST & LIVE』1981)
言わずと知れたBilly Joelの名曲「New York State Of Mind」。ニューヨーカーBillyの持ち曲ゆえ当然彼のカラーが強い曲ですが、こんなのがあったとは……
Mark-Almondは、Jon Mark(Gt, Vo)とJohnny Almond(Sax, Flute, Vo)を中心とする英国のユニット。ジャズ・ロックあるいはジャジーなポップ、というのがその音楽性の説明になりますかね。してみるとビリー・ジョエルの一部楽曲はよく合う、と言えなくない。
実際この「New York State Of Mind」も、クールなエレピ+ムーディーなサックス+しなやかなドラミングでなかなかの味わい。ヴォーカルはビリーのようなソウルフルな調子というより、やや飄々として(?)肩の力が抜けた感じですが。
あ、この曲は彼らのアルバム『THE LAST & LIVE』(1981)に入ってます。同年に米国ニューヨークで行ったライヴの実況盤とのことですが、リリースはドイツのみだったようです。原曲は1976年のBilly Joel『TURNSTILES』(邦題『ニューヨーク物語』)に入っておりました。
あとは余談ですが、私がこのユニット(バンド)に関心を持った流れは例によって迂回路経由。
(1)King Crimson「21st Century Schizoid Man」にやたらとハマる。
(2)カヴァー・ヴァージョンを探しまくる。April Wineとか西村雅彦とか……
(3)Greg Lakeのライヴ盤『KING BISCUIT FLOWER HOUR PRESENTS』に行きつく。Gary Mooreが全面でギターを弾いてて、ハードロックファンだった小生にも楽しめるプログレ大会だったのである。
(4)期待の「21世紀の……」以外にも、「Fanfare For The Common Man」(Emerson, Lake & Palmerの名曲)など盛り沢山、ゲイリーと並んで器楽で目立つのがキーボード。考えてみりゃあ、エマーソン(Keith Emerson)やマクドナルド(Ian McDonald)の代わりをこなすんだからたいしたもんだが。
(5)その方こそTommy Eyerさん。初期のマーク・アーモンドに在籍し、後にThe Sensational Alex Harvey Bandでもプレイしたという御仁。(と言いつつ、ライナーのその説明を見てから、十何年もたってからやっとのことでMark-AlmondのCDにたどり着けたんだからたいへんだった。
(6)“マーク・アーモンドがビリー・ジョエルの曲をやってるって?”中古CD店で今回の盤を見つけ、トラック・リスティングを見て訝しむ私。‟同名異曲かもしれないし、ちょっと高いから今日はやめとこう。”
(7)帰ってネットの情報を調べる。やはりあの「New York State Of Mind」とわかり、“今度あったら買おう”と決心する……も、同じ店からはもう消えていた。中古品は一期一会!
(8)あきらめかけていたころに別の店で邂逅。ここで会ったが百年目。
(9)ただ、このライヴアルバム当時のラインナップにはわが思い出のTommy Eyer先生は入っていなかったのであった。
終わり。