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どんぱす今日の御膳198

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Little Richard「Open Up The Red Sea [Bonus Track]」(『KING OF ROCK AND ROLL』[再発]2020)

youtu.be

 リトル・リチャード、彼のピアニストとしての腕前はまだまだかえりみられていないのではないでしょうか?ヴォーカリストとして凄すぎるせいかもしれませんが。例えばJerry Lee Lewis(彼もロックンロールの偉人ですけど)は“ピアノの前にいる”姿がイメージで浮かびますけど、Little Richardの場合は“シャウトしてる顔のアップ”とかが多いような。

 

 この「Open Up The Red Sea」という曲、私は最近再発されたヴァージョンの『KING OF ROCK AND ROLL』のボーナスとして初めて聴きました。2000年代前半にすでに世に出ていた音源ではあったそうですが。作曲者は不明(クレジットが無い)ですが、“ご機嫌なロックンロール”、インストゥルメンタルです。

 

“♪Open up the red sea!”と一声かけたあとチャック・ベリーの必殺フレーズをピアノに置き換えたモノから全編ピアノを弾き倒す……というか叩きまくる――ピアノは打楽器!――リトル・リチャードが異様にカッコいい。ドラムやサックスもバックアップとしてはよいですが、陰の主役はベースかな。これ、誰のプレイなんでしょう、凄いんだが。

 なお、作品本編『KING OF ROCK AND ROLL』(1971)も私は好きです。“♪Now I’m gonna sing and shout it, there ain’t no doubt about it, I’m the king of rock and roll……”なんていう歌詞を歌って許されるのはリトル・リチャードだけでしょうよ!「Joy To The World」だの「Brown Sugar」だのといった“ひとの曲”もおのれのものにしてしまう力技も堪らん。