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Mandrake Root「Speed Trippin'」(『WAVES IN MOTION』1993)
バンド名からして、もうね。あるウェブサイトの紹介では“Swedish Rainbow wannabies”(スウェーデンのレインボー・ワナビー)なんていう酷い(身も蓋もない)説明をされていましたが……それは冤罪です!!彼らはレインボー・ワナビーなどではない!!!
こいつらは“ディープ・パープル・ワナビー”です!……名誉回復……になってない、か。オルガンの入れ方、ドラムの手数の趣味、楽曲のストラクチャーなどから察するに、やっぱりこれはDeep Purple風味でしょうよ。1993年ですからね。これが干支一回り早ければWhite Spiritとかと同格でしたでしょうけど。
〔White Spiritについては⇒第55回「White Spirit」(1)〕
あ、だからといって内容がヒドイというわけではありません。独創性はまあありませんが、演奏力はまずますですし、ヴォーカルはイアン・ギランやブルース・ディッキンソンをちょっと思わせるし(とはいえやはりちょっと甘いが……)ね。
この「Speed Trippin’」はアップ・テンポの8ビート・ナンバーで、White Spiritバリにオルガン・ソロが頑張ってます。引き継いだ「リッチーが、よっぽど、好きなんだね?」ギターソロもグリーグ「ペール・ギュント」のワザとらしい引用も微笑ましいし。
好きなことを詰め込んだという点では心意気は買える。というか、CD買っちまったから無理矢理褒めとかないと……