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The Crusaders「Blues Up Tight」
ジャズ・フュージョンの名バンド、クルセイダーズの曲。1966年(The Jazz Crusaders名義)の『LIVE AT THE LIGHTHOUSE ‘66』に入っています。作曲はJoe Sampleさん。私は『THE GOLDEN YEARS』(1992)というコンピレーションで聴きました。
ピアノとホーンを主に据えたいわゆるジャズで、私の好きなMiles Davisの一時期(Tony Williamsとか居た頃)の作風にちょっと似てます、かね。“Stix”Hooperさんのドラムの推進力がイイ。
1分55秒あたりからの長めの管ソロが聴き所なんですが、2分54秒辺りからにフレーズに、なぜか聴き覚えが……。えー、あー、これなんだっけ?歌があったらこいつは、“♪I’ll give you all I’ve got to give if you say you love me too……”だから、、、
ビートルズの「Can’t Buy Me Love」か!サビに行く前にやめるあたりも含めて、なかなかクールな仕掛けですね。楽曲はその後もピアノソロなどへ展開して、基本的に当初のテンポで突っ切ります。演奏終了後には拍手が起こる、ライヴ・テイク。
同アルバムにはThe Beatles「Eleanor Rigby」のジャズ・インスト・カヴァーも入っていましたね。(上のコンピにも入ってたので私も聴いた。)Jazzer*にとってもビートルズの曲ってのは面白かったんでしょうか?……って、調べてみたら、「エリナー・リグビー」のカヴァーやってる人多いな。Kansasのシンフォニック・プログレ版、Eddie OjedaやSnake Charmerのヘヴィ・メタル・ヴァージョン、Pure Food & Drug Actのファンク・ロック風、Ray Charlesのソウル、Richie Havensのフォーク、Rick Wakemanの鍵盤、Stanley Jordanの独奏ジャズ、Vanilla Fudgeのアートロック、Velvet Operaのハード・サイケデリック……ジャンルを問わない感じ。The King’s Singersが声楽カヴァーもやってるし、Joemy WilsonさんていうHammered Dulcimar(楽器名)奏者が出したビートルズ・カヴァーアルバムでも冒頭に置かれてる。
The Crusadersから話題が離れちゃった。今回はここまで。
〔注*〕ロックをやる人をRockerっていうじゃないですか。ジャズの人はジャズメンとか言うことが多いなあ、なんでかなあ、と思っていたのですが、英国紳士Chris Spedding先生がソロ・アルバム用のインタビュー〔ブックレット記載〕の中で“Jazzerの連中ってのはさあ……”っていう言葉遣いをしていましてね。「これだ!」と思って使いまくろうしているところなのだ。皆さんもどうぞ。
なお、クラシックをやる人のことを“クラシッカー”と呼ぶ件については、筋肉少女帯ほかでの名プレイでもお馴染みのピアニスト三柴理さんが先駆となっておられますぞ。「人間椅子倶楽部 第93回」の映像が観られればわかるよ。