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Three Man Army「Polecat Woman」『TWO』(1974)
いや、なんかTony Newmanのドラムが聴きたくなりまして。さっきTwitterで誰かがMay Blitzの話をしてたのを見たからかなー。Tonyの仕事はホントに幅広くて、全部フォローするのはなかなか大変ですけど――といいながら、Sounds IncorporatedからChris SpeddingからT. Rexまで性懲りもなく追いかけるんですが――、やっはり70年代半ばのハードロック作品が最&高。Jeff Beck(これは60年代か)~May Blitz~Three Man Army~Boxerと、全部美味しいじゃないですかあ。コージー・パウエルみたいなカリスマティックな感じじゃないかもしれないけども、間違いなくブリティッシュ・ロック界の背骨。

「Polecat Woman」は、トニーがガーヴィッツ兄弟(Adrian GurvitzとPaul Gurvitz)と組んだThree Man Armyの作品。ちょっとややこしいけど、『TWO』(1974)は3rdアルバムなのね。1枚目の『A THIRD OF A LIFETIME』(1971)はG兄弟+ドラマーがMike Kellie(元Spooky Tooth、この人も名手!)で、次の『MAHESHA』(1973)でドラマーがTony Newmanになって、という流れ。トニー入りでの2枚目だけどバンドとしては3作目……わかります?
で、どれもなかなかの出来なんですけども、この3枚目の冒頭にある「Polecat Woman」が強烈無比なのであります。のっけからエイドリアンの繰り出す極上ハードリフ、それに応じるトニーの強靭なドラム。あとこの曲で特徴的なのはメインフレーズの後で必ず入るギターとベースのグリスダウン(です、よね?)。ひたすら繰り返されるのよ、よそではあんまり聴けない感じでね。2分55秒からのエイドリアンのテクニカルなギターソロもお楽しみ……ではあるが!お待たせしましたトニーファンの皆さん!1分52秒から2分22秒までトニー・ニューマンのドラムソロが大炸裂ですぜ。ギターソロよりも前にドラムソロを大フィーチュアしてくるあたりもパンチが効いてるな。
あと、プロデューサーかエンジニアの腕前なのかもしれませんが、ドラムの「音」が尖ってていいんですね。『MAHESHA』のときはもうちょっとまろやかなサウンドだったと思うので、3枚目で明らかにメタリックにシフトしているのよ。「Flying」ではダブルベース(ツーバス)をもろにぶっこんでくるし、「Irving」はベースもグイグイ来るプログレッシヴなハードロックだしねえ。1974年という段階でこんなプロト・メタルみたいなことやっちゃって……というと、私などはすぐに米英混合のArmageddon(こちらは唯一作が1975年)を連想しちゃいますねえ。あっちも、グレートドラマーBobby Caldwellを擁する強烈HRで、明らかに時代を先取り……し過ぎてパンク時代を乗り越えられなかったですけど。
ガーヴィッツ兄弟ものでいうと、実はThree Man Armyが一番好きで、GunとBaker Gurvitz Armyはその次……っていう変な奴(?)が私なんですが、好きな理由の何分の一かなこの「Polecat Woman」におけるトニーのドラミングかもしれないなあと、聴き直しながら思いました。
あ、一つ忘れてた。デンマークのギタリストMichael Denner(Mercyful Fate/King Diamond)のソロプロジェクト(?)Denners Trickbagの現時点の唯一作『DENNERS TRICKBAG』は英米のHRクラシックをカヴァーしたアルバムなんですが。Mountain「Never In My Life」やMontrose「I Got The Fire」はわかりやすいとして、Tempest「Foyers Of Fun」だのCaptain Beyond「Dancing Madly Backwards/Armworth/Myopic Void」を入れてくる辺り「あんたマニアック!」なわけですが、何とThree Man Army「Polecat Woman」もやってるのだな。Kim Hanemannて方がドラムですが、さすがにドラムソロパートは控えめ(短め)。80年代以降のメタル的音作りなのは好みがあると思いますが、Denner先生のオタク心全開のカヴァーアルバム、よかったら聴いてあげてください。