(17)Alexis Korner’s Blues Incorporated「Cabbage Greens」(1964)
抜け目がないのはこの英国人もかな。英国ブルーズ/ジャズ/ロックのゴッドファーザー的存在のアレクシス・コーナーさんですが、“自作”とクレジットされているこの「Cabbage Greens」は、どう聴いても「Green Onions」のパロディか物真似でしょうよ。「タマネギ」を「キャベツ」にすりゃあいいってもんじゃない。
アレクシス・コーナーさんの功績は大いに敬っている小生ですが、これには困惑。もう一つシビアなことをいうと、本家に雰囲気は近くても、技量がまだ追いついていない……。ギター(Alexis)が時々弾ききれてなかったりね。
というわけで、珍しくキャベツを辛口調理する羽目になりました。いや、Alexisさんのすごさは他の作品でいっぱい味わえばいいのよ。私が好きなのは――ふつうは60年代ものを選ぶべきでしょうが――1972年の『ACCIDENTALY BORN IN NEW ORLEANS』だったりする。元King Crimsonで“Robert Frippの元を一緒に去った”Boz Burrel(Ba)+Ian Wallace(Dr)+Mel Collins(Sax, Flute)がそのままなだれ込んでやってるからさ。
「君ら、こういうのやりたかったんかい?そりゃあ、キング・クリムゾンには留まれんわな」。この3人+ロバート・フリップがKing Crimsonの名曲「The Court of the Crimson King」をブチ壊して「ブルーズ・ヴァージョン」にしちゃったやつ(1971年デトロイト公演の音源、イアン・ウォーレス曰く「The Court of the B.B.King」)は、ふざけてるけど面白いから困っちゃう。ロバートもぎこちないけど“ブルーズ・ギター”に挑戦してるし。
何の話だっけ?ああ、「緑のキャベツ」でしたな。