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中国メタル名曲紹介(8)Hyponic

 エクストリーム編が続きますが、第八弾はHyponicでどうでしょう。

 

 香港のバンド。1996年結成だから、当時は「中国のバンド」ではなかったわけですな(返還前)。1st『BLACK SUN』デスメタルの色が濃いですが、2nd『THE NOISE OF TIME』ではドゥームに転じています。香港エクストリーム・メタルの草分け的存在ということで、後続への影響も大きいということです。しばらく作品を出してませんでしたが、2016年にサード『前行者』を発表しました。

 

 

1.Hyponic「Labyrinth Of Ignorance」(1stアルバム『BLACK SUN』2001)3:19

2.Hyponic「Black Sun」(1stアルバム『BLACK SUN』2001)10:51

3.Hyponic「The Noise Of Time」(2ndアルバム『THE NOISE OF TIME』2005)10:51

4.Hyponic「最後陳述」(3rdアルバム『前行者』2016)5:48

 

<メンバー(1-3)>

Roy(Vo, Gt, Dr)

Kin(Gt)

Mei Fun(Ba)

<メンバー(4)>

Roy

Wah

 

 このバンドはホントの‟アーティスト”ですね。作品ごとに音像も違う。ファーストは、ブラック寄りのデスメタル。1「Labyrinth Of Ignorance」は、ブラスト多用、ゴボゴボ低音ヴォイス、16分刻みギターと、まだわかりやすいのかも。終曲「Black Sun」(2)の長尺展開はプログレッシヴでもありまして、すでに普通ではない。中間部分でドゥーム風に陰鬱な展開を見せ、結局元に戻らないままノイズがフェイドアウトしていく……なんとも狂気に満ちた曲です。

 

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 偶然かどうかその「Black Sun」と同じ長さの「The Noise Of Time」(3)が次のアルバムのアタマ。もう完全にドゥーム。フューネラル・ドゥームっていう説明をしてる人もいるようだね。フューネラルかどうか知らんが、かなり実験的(Experimental)なことは確かで、ここまで振り切っちゃうと、私のような凡庸なメタル脳ではついていくのが厳しい。(それでも、アルバム2曲目以降の陰鬱極地みたいなのに比べればまだわかりやすい(?)方だけど。)

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 で、まさかのサードが結構日本で流通してるんだよね。CDショップ(新品/中古とわず)で時々見かけるのだ。十年ぶりの新作は!!これぞエクストリーム。もはや「メタル」という範疇に収まることも拒絶。「最後陳述」(4)なんていう漢字題名も恐ろしく思えてくる。唯一のファウンディング・メンバーRoyの美学と狂気きわまれり。プログレとかサイケの文脈の方が理解しやすいかな。今回取り上げてないけど「寧劈不回」なんて、ダーク・サイドに転げ落ちたピンク・フロイドみたいだしね。本盤ラストの「Intro」って曲はVirusというグループのカヴァーだそうです(知らない)。

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 「中国メタル」の流れとはちょっと違うところにいた気もしますが……Hyponicを小生が知ったのは北京でのことでしたから、まあいいでしょう。在京(北京ね)のメタル専門店で、お店の人に「ねーねー、何かイイ中国メタルはないのん?」とまとわりついてたら、「じゃあこれどうよ、香港のだけどデスよ!」って言われて聴かしてもらった(アンド買って帰った)のが『BLACK SUN』だったのだからね。

<続く>

 【簡体字表記】

SONG《最后陈述》