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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳156

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Blackhole「Black Hole Rock’n Roll」(『BEST OF BEST』1997)

 韓国メタルの雄ブラックホールの一曲。この曲に関していうと、AC/DCっぽさが強く出ていますかね。「Whole Lotta Rosie」と「Riff Raff」を彷彿させるリフ・ワークが耳に残ります。“♪Rock’n Roll !”

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 ちなみに、この人たちはこの作風ばかりではありませんで、武骨な正統派メタル曲もあれば、メロウな歌謡調もあったりします。なかには、Chroming Rose「Heavy Birthday」の向こうを張った様な「Happy Birthday」なんていう珍曲もありますよ。

※☟これよ。

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どんぱす今日の御膳155

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Domine「Altar of the King」(『EMPEROR OF THE BLACK RUNES』2003)

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 Riotの「Altar Of The King」は、1981年の『FIRE DOWN UNDER』に収録された、知る人ぞ知る名曲でございます。〔Riot特集:時系列全作品紹介(3)『FIRE DOWN UNDER』

 

 トリビュートアルバム『THUNDER AND STEEL DOWN UNDER』Evil UnitedRiot Vに在籍するDVSもメンバー)もカヴァーしましたが、もっと早くに「Altar Of The King」を取り上げてた連中がいた。それがこのイタリアのDomine

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 私はこの一曲(日本盤ボーナストラック)のために彼らのアルバムを買いましたが……カヴァー以外の本編もよろしかったので後悔は無し。「Battle Gods(Of The Universe)」とか、いい出来だと思います。イタリアン・正統派ヘヴィメタル。このごろこういうメロディック・パワーメタル聴いてなかったけど、いいすな。

 

 で、「Altar of the King」はあくまでボーナスなんですが、ちゃんと前半のアコースティック・パートから再現して、ヘヴィ・シャッフルにつなげてます。Guy Speranzaっぽくは歌いにくいようですが、それはまあ仕方ないよね。Riot VのTodd Michael Hallだってガイっぽくは歌ってないし。ギターソロも、Mark Realeのオリジナルのフィーリングに敬意を払っていて好印象。捻りがないともいえますが、こういう曲はこれで良いでしょう。

中国メタル名曲紹介(16)紫冥楽隊

 元気なエクストリーム系バンドがたくさん出てくるようになったのはよいことですな。この紫冥楽隊(Purple Hell)は、メロディック・デスメタルの新鋭。はい、第十七弾。

  【検索にそのまま使える簡体字表記は文末に】

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 ギター二本がメロディアスなラインを奏で、女声デス・ヴォーカルが吠える……十中八九Arch Enemyを手本にしてるんじゃないかと思います。

 

1.紫冥「怜未泯」(1stアルバム『蝕生』2014)

2.紫冥「離」(1stアルバム『蝕生』2014)

3.紫冥「The Evil That Men Do」(1stアルバム『蝕生』2014)

<メンバー>

楊波(Vo)

李哲(Gt)

馬銀(Gt)

郭夢琪(Ba)

雷震霄(Dr)

 

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 1「怜未泯」なんか、もろAngela Gossow時期(特にその初めの頃)のアーチ・エネミー風じゃないですか。いや、誰でも習作から入るものなのですから、その点はかまわないでしょう。なかなかいいリフを書いてるし、ドラムの力量も充分。“♪朝花夕拾,一笑成殇;灯火阑珊,我身项背……”

 

 「離」(2)は、アコギをバックにクリーンヴォイスで歌われる、物悲しいバラード。(“♪Lalalala……”)こういうのは――もちろん――Arch Enemyにはありませんな。と思ったら、ふへえ、2分20秒からグロウルし出しましたぞこの人。パワー・バラード(デス・バラード?)に早変わり。メロウ&メロディアスなギターソロも有ります。“♪此世空余恨,再见,再也不见!”

 

 で、こんなのもある。「The Evil That Men Do」、言わずと知れたIron Maidenの名曲のカヴァーであります。デスヴォイスだけど、バックの演奏は割と原曲風かな。ギターがツインを決めたいんだろうね。ルーツを自ら明かす……ってももともとわかりやすい方だけど……のも悪くない。

 

 この人たちはその後もセカンドアルバム、EPと2年おきくらいには作品を出しているようですね。Youtubeにはライヴの映像もありましたから、活発に動けているのではないでしょうか。

<続く>

 【簡体字表記】

紫冥乐队

ALBUM《蚀生》

SONG《怜未泯》《离》《The Evil That Men Do》

どんぱす今日の御膳154

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Doctor Butcher「Don’t Talk To Me」(『DOCTOR BUTCHER』1994)

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 Savatageは好きかな?この頃新作が出なくなって久しいね。Jon OlivaもZak Stevensも自分のプロジェクトを持ってるから仕方ないけど……。

 さてその山の魔王(?)ジョン・オリヴァが、後にSavatageの正式メンバーとなるChris Caffery(Gt)と組んで制作したのが『DOCTOR BUTCHER』というアルバム(ドラムはJohn Osbornという人)。一瞬ですがライヴをやったこともあるそうで。

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 サヴァタージといえばドラマティックなメタルですが、このプロジェクトではヘヴィさに重点あり。パンテラっぽいというほどではないですがリフ主導でありますし、ジョンの金属ヴォイスも歌詞の内容と相まって狂気を孕んだ風合いに。“♪Don’t talk to me, I’m sick and and sick and tired of your talk, talk, talk, talk, fxxk you !”ってアグレッシヴ過ぎるでしょうよ。

 

 他にも「I Hate, You Hate, We All Hate !」なんていうやべえ曲もあるだ。ジャケットもよくわかんないけど不穏な感じが。(ライナーにあるJonのコメントによると、「Dr. Butcherは基本的にはユーモアのセンスを持ったヘヴィ・メタル・バンドなんだ」とのことですが、ね。)

どんぱす今日の御膳153

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Biscaya「Howl in the Sky」(『BISCAYA』1983)

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 スウェーデンHR/HMバンド、ビスカヤの大名曲(ということになっている)。Europeがデビューして北欧メタルがジャンルとして形成されていくまさに草創期に現れた作品ということですな。

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 確かにこの疾走感とドラマティックな展開はイイ。Deep Purpleの影響を新時代のメタル的に昇華したサウンドNWOBHMでいうと、White Spiritあたりにみられた精神ですな。〔第55回「White Spirit」(1)

 

 長あ~い器楽ソロパートがあることは想定の範囲内として、後半のクラシカルでメロディアスなフレーズの応酬には唸らされます。他も決してわるくないものの、アルバム中ではこの曲が突出してしまっている印象ですが。