まだ終わらないのであった。お次はこういうシリーズ。
<国産メタルとの邂逅編>
日本のバンドの作品も――自主制作的なものまで――よく置いてあったので、そこで得たものもそこそこありました。
(1)A.I.T.H.(Ace In The Hole)『LOVE ME,MOM...LOVE ME,DAD』(2001、JP)
1曲目がヘヴィなテンポのタイトル曲なのですが、「このタイトルは何か重苦しいものが……?」と思い情報を探すと、彼らのオフィシャルサイトが残っていまして(バンドは既に解散)、そこに「このタイトルチューンは虐待を受ける子供の気持ちを大人の思考回路で表現したものです。A.I.T.H.はいかなる形であれ、すべての児童虐待に反対します。」云々とありました。
2曲目「The Mighty Deep」は疾走曲ですが、リズムチェンジが効果的に使われる中をシンガー(Kanaさん)が歌い上げるもの。次の「Never-never Land」ではMasatoさんの気合いの入ったギターソロが聴きどころかな。ラストは壮大なバラード「Final War」で幕。
本EPは彼らの唯一作ですが、店頭で“期待の正統派”みたいなことが記され紹介されていたんじゃなかったかと。さすがに15年近く前のことなのでうろおぼえもいいところですが。ちょうど2000年前後は私が聴こうとする対象を広げだした時期に当たるんですが、そのころジャパメタは(冬の時代とはいわないまでも)なかなかたいへんな時期だったように思います。その後、メジャーになるグループなどが増え、また「メタル」というものが一般社会に受容・消費されるようになるまでにしばらくかかったんじゃないですかね。ちなみに、Loudnessのオリジナルメンバー再集結、Anthem再始動の『SEVEN HILLS』、陰陽座のメジャーデビューがすべて2001年です。
(2)Aiming High『METAL FIGHTER SQUADRON』(1998、JP)
80年代末から活動しているヴェテランAiming Highのファーストフルアルバム。メロディック・パワー・メタルですね。
1曲目「Metal Fighter Squadron」はいい。突進感と長過ぎる(褒めています)ギターソロが素敵です。過去のデモ・テープにも入っていた「Dark Man」や「No Turning Back」などは心なしかこなれている感じがありますね。ツインリードのキメが其処此処に。 ちょっとバタバタした感じもありますが「Flight Of The Intruder」や「Hero In Solitude」なんかも気に入りました。
バンドは、この後はフルアルバムは出されていないようですね。
<続く>