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Headstrong Fes. 18(2)

 先週大いに楽しませていただきましたHeadstrong Fes. '18ですが、昨日は名古屋でも行われたいへんな盛り上がりだったそうですね。


 15日の伊藤政則さんのラジオ番組(bay fm POWER ROCK TODAY)を聴いていましたら、先日の公演(川崎)の折にはThe Yellow MonkeyHeeseyさんと吉井和哉さんが観に来られていた、という話も出てきました。「吉井君のバンドとHeeseyのむかしのムルバスは、まさにサブラベルズとツアーしてたからね」とも。吉井さんのバンド、はアーグ・ポリスでしょうか。ジャパメタについてはネット上にいろいろ詳しい情報が出ているので、後追いの私でもこういうことを知ることができありがたい限りです。

 吉井さんといえば、『ヨジー・カズボーン~裏切リノ街~』(2015)でサブラベルズ「Hell's Rider」をカヴァーされてましたね。私の友人に非常に熱心な吉井さんのファンがいまして、その彼がこれのことを教えてくれたのでした。アルバムも聴かせてくれたのですが、イントロのOzzy Osbourne「Mr.Crowly」に続いて「Hell's Rider」が来る構成で。ヘヴィメタル色は強くないアレンジで、気だるげなヴォーカルが独特の雰囲気なんですが、吉井さん版は歌詞とメロディがすごくこっちに伝わってきやすいんですね。今回の件があって聴き直しましたんですが、やっぱり良かった。

 さて、今回はフェス本体から離れて「ひと」の話を思いつくままに続けてみますと……

 さっき(!)参照させていただいたあるジャパメタ情報サイト(Japan Metal Indies)によると、ムルバスの初期のヴォーカリストは岸本友彦さんだったんですね。単なる偶然ですが、元サブラベルズの松川さんと石橋さんが加わっていたということで以前から気になってい(て最近ようやく買っ)たエモーション『EMOTIONAL KISS』(1988)のヴォーカルが岸本さんで。80年代のジャパニーズ・メタル界隈の人のつながりが興味深いです。

 そういった意味で、柴田直人さんの近著柴田直人自伝』シンコーミュージック2018年)もたいへん面白く読ませていただきました。何度も申しますように、80年代はわたくし幼児・小児なので、“当時を思い出す”ということではまったくないのですが、氏のお話には興味津々でございました。雑誌などで断片的に触れられていた「ブラック・ホール」というバンドのようす、アンセムの成り立ちと変容、プロデューサーとの関係などなど……。
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 で、私などが読んでいてやはりうれしくなったのが次のようなくだり。

 「〔オムニバスヘヴィ・メタル・フォース』に参加したバンドの〕中で僕達が一番「こいつらは本当に凄い」と敬意を抱いていたのがサブラベルズだった。〔中略〕彼らはブラック・サバスみたいな、悪魔っぽい方向性のテーマを掲げ、ドロドロしているけどメロディのある本当に良い曲を書いていた。当時から僕は「こういう個性的なバンドこそ成功するべきだ」と思っていた。彼らはその頃、アンセムとツーマンで日本中をツアーしたこともある。まさに盟友だ。」

 今回オリジナルのサブラベルズを観られたのは、こういう思いを持った柴田さんが尽力されたからだと聞いております。ありがとうございます。

 あと、次のような箇所も出てきて「おっ!」と思いました。

 「〔日本でヘヴィ・メタルがブームとなる〕そんな中で、僕達と同じく一九八五年にデビューしたヘヴィ・メタル・バンドにフラットバッカーと聖飢魔Ⅱがあった。聖飢魔Ⅱについては、一部に彼らを色モノ扱いする向きもあって、確かに彼らはそれぞれが「自分達は悪魔である」というテーマに忠実にキャラクターを打ち出していたと思うが、演奏はとてもしっかりしていたし、歌も上手だったので、僕個人は彼らを高く評価していた。」(110頁)

 フラットバッカーについても「このバンドのひたすら攻撃的なイメージや露出の仕方は典型的なメタルとは明らかに一線を画していて。演奏も歌も一聴して只者ではないと判るクオリティ。」とありまして、「この〔アンセムと〕同期の二つのバンドは、共にキャラが濃くて実力のある、ある意味では洗練されたバンドだったので、セカンド・アルバムぐらいまで僕は「同年デビューの彼らに負けるわけにはいかない」と歯を食いしばって活動していた。」(111頁)とのことでした。

 聖飢魔Ⅱと、ラウドネスアースシェイカーとの交流は耳にしたことがあったのですが、アンセムの柴田さんが聖飢魔Ⅱを意識していた、というのは初めて知りました。なにより、聖飢魔Ⅱフラットバッカーを「洗練されたバンド」と見抜かれていたというのはさすがで、恐れ入りました。

 わたくしが聖飢魔Ⅱもの凄い好きなんで、上のような箇所がまず印象に残りましたが、ほかにも90年代初頭のアンセム解散後の作曲生活や、ラウドネス加入当時(ここで元フラットバッカーの山田さん・本間さんと一緒になったんですよね。本間さんとは後に再始動アンセムでも活動を共に……)のお話など、興味深い話がたくさんありますよ。読んでいると、これまで未聴だった90年代ラウドネスの作品も聴いてみたくなったり……

 ヘヴィメタル・ファンのみならず、バンドをやったりものづくりに関与したりしている人が読んでもおもしろくためになる一冊だと思いました。
<続く?>