DON'T PASS MUSIC BY

"嘘八百 is not a metaphorical expression in our country."

時代の産物を追う?(8)

 段々恣意的ピックアップになって参りました。

(16)Status Quo『AQUOSTIC Ⅱ:THAT'S A FACT』(UK)

 タイトルはもちろん「アコースティック」の洒落。偉大なる英国バンドStatus Quoの“アコースティック”セルフ・カヴァー集第2弾。……ということは第1弾もあるのでして、『AQUOSTIC(STRIPPED BARE)』(2014)がそれでございます。

 皆さんご存知かもしれませんが、Francis Rossiと共にStatus Quoを支えてきたギタリスト・シンガー・ライターのRick Parfittは2016年に亡くなっておりまして、このシリーズは彼の遺作のようになってしまいました。どこかで読んだ記事ですと、Rickは「アコースティック・ヴァージョン」をやることにあまり乗り気ではなかった、ともいわれるのですが……作品を聴く限り老練バンドはノリノリ。
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 『AQUOSTIC(STRIPPED BARE)』は、バンド史上最初のヒット「Pictures Of Matchstick Men」――Ozzy Osbourneもお気に入り!――のストリングス入りヴァージョンに始まり、初期のブギー「Down The Dustpipe」、ハードロック化の幕開けを告げた「Paper Plane」、ライヴでもお馴染みの「Caroline」(ゆったりしたシャッフル調にアレンジ?と思わせておきながら途中でオリジナルのテンポで突進)……と名曲好演目白押しの22曲入り。

 Status Quoのアコースティック・パフォーマンスというと、4枚組ボックス『LIVE AT THE BBC(2010)ディスク2のトラック12~16が楽しい。1989年のSteve Wright(DJ)ショウに出た時の音源で、「In My Chair」・「Caroline」・「From A Jack To A King」・「Down The Dustpipe」・「Railroad」といった初期の名曲をプレイしたもの。小さな部屋(?)に集った聴衆の拍手や歓声、笑い声もアット・ホームで生々しい。「Caroline」のイントロをFrancis とRickが弾き始めると、DJのWright氏(かな?)が興奮しちゃって“Oh, oh, oh! I like it!”とさけんでるのも入ってるし、“♪Can I come there for love”っていう歌詞のところをフランシスが即興で“♪Can I come there for lunch......love”と歌って笑いを取ってるのも聴ける。ギターの音もスゴく良いですね。Quoといえばエレクトリック・セットでヘヴィーにブギーしてくれてこそ、と思っていましたが、少し反省しました。イイです。
 
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 で、こういう先例を聴いていたので『AQUOSTIC』シリーズにも安心して手を出せたわけです。第2弾の『AQUOSTIC Ⅱ:THAT'S A FACT』(私が持ってるのはDeluxe Editionの二枚組)の方は、第1弾以上にアレンジが凝っている印象。「Roll Over Lay Down」や「In The Army Now」、「Backwater」、「Mess Of The Blues」といった曲が演じられています。私が好きなのは「Ice In The Sun」で、最初期のサイケ・ポップ調楽曲を魅力的に蘇らせてくれております。
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 ボーナス的に「Pictures Of Matchstick Men」や「Whatever You Want」、「Rockin' All Over The World」他のライヴも聴けますが、歓声が物凄い。BBCのアット・ホームさは無いですけど。

 興味を持たれた方は、まずは『AQUOSTIC(STRIPPED BARE)』をお試しになるのがよろしいのではないでしょうか。